横浜ND備蓄の各種タグ、一斉に動き出す


横浜ノースドックのST,WT,SLWTが陸上保管から海上に移動して、試運転の準備中(2016.10.5 11:00 撮影)



走行を開始したSLWT。すでにWTが1隻走行中。後方に揚陸補助艦モントフォード・ポイント(16.10.5 14:00 読者撮影)

横浜ノースドック(ND)に備蓄保管されている陸軍揚陸セットには、各種のタグボートが含まれる。Large Tug(LT),Small Tug(ST),Warping Tug(WT), Side Loadable Warping Tug(SLWT)だ。このうちLTを除くタグは陸上に保管されていて、定期検査のたびに水中に降ろされて実際の走行試験などを行う。

部品に分解されて保管されているWT(およびCauseway Ferry、CF)が、Eバースで組み立てられ、その後水中に降ろされた。STとSLWTもクレーンを使って海面に浮かべられた。

これまでほとんど動きが見られなかったSLWTが試験航走を行うのは珍しい。各種のタグが一斉に動き出したように見える。

今、Gバースに停泊している揚陸補助艦モントフォード・ポイントは、LCACとの組み合わせで揚陸作戦をよりスピーディに行うことができる。ノースドックにも保管されている いかだセットを使って車両を降ろす場所を海上に確保するのがこれまでのやり方だ。そして筏を組むのに使われるのがWTであり、小さな筏を引っ張るのがCF、WT、SLWTだ。

揚陸作戦のやり方が変わっていく中で、ノースドックに保管されているような揚陸セットも、今後取捨選択されていくのではないか。一斉にタグが点検修理を受けるような動きがいつまで 続くのだろうか? 大型揚陸艇(LCU)はすでに小規模な輸送を行う輸送艦に転身をはかっていて、那覇軍港に2隻のLCUが横浜NDから交替ででかけている。那覇軍港を拠点に東南アジアに向かったり、 韓国に向かったりもしている。 備蓄のはずだった揚陸艇が、輸送任務を主として横浜から各地に散っていけば、ノースドックの基地機能も大きく変化することになる。

(RIMPEACE編集部)


陸上保管のSTが4隻、次々に海面に降ろされた(16.9.26 星野 潔 撮影)


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