揚陸補助艦、横浜NDから横須賀港外に移動


横須賀基地の沖合の錨地で停泊する揚陸補助艦モントフォード・ポイント (2017.3.22 頼 撮影)


2月8日の横須賀港外錨地。横須賀基地は右方向になる。戦闘艦の弾薬積み下ろしの錨地よりはるか沖に揚陸補助艦が錨泊 (2.08 頼 撮影)

3月17日午前、横浜ノースドック(ND)に滞在中の揚陸補助艦モントフォード・ポイント(T-ESD 1)がGバースを離れ出港した。
モントフォード・ポイントは東京湾から出たが、19日には東京湾に戻り、横須賀港外錨地に停泊した。横浜ノースドックに大型艦が入港するときに、モントフォード・ポイントがよく 「避難」する待機場所だ。
駆逐艦や巡洋艦が弾薬の積み下ろし時に停泊するアンカー・ポイントよりもずっと沖に出たところだ。

モントフォード・ポイントが半常駐状態の横浜NDから出航するときには、2パターンがある。1つはLCACがいる佐世保基地により、帰ってくるケース。この場合、途中で事前集積 艦とドッキングして海上で軍用車両を受け渡しする訓練をおこなっているとみられる。
もう一つは、停泊しているNDのバースを大型の輸送船が使う場合だ。このときは、バースをあけるために港を出て、横須賀港外錨地で待機して、輸送船が出た後横浜NDに戻る。今回 の動きはこのケースだ。

今回、モントフォード・ポイントを押しのけてNDに寄港したのは、備蓄中のMCSを組み立てた浮体や、それを到着先の海上で組み上げるためのタグなどを運ぶ貨物船だ。この浮体に 事前集積艦からおろした戦車や軍用車両を揚陸艇に積んでビーチにあげる、というのがこれまでの揚陸作戦の補給面での柱となっていた。

MCSの運搬・組み立て・揚陸艇への積み替えの機能を一隻にまとめたのが揚陸補助艦であり、モントフォード・ポイントがその一番艦だ。レガシー・システムが使い続けられる中で、 モントフォード・ポイントが半常駐化する横浜NDは、揚陸支援機能が一挙に倍加したことになる。

単なる保管だけで、基地機能の強化にはならない、と15年前に日本政府がのたまったノースドックは、今や揚陸作戦支援の中枢機能を保持する第一線の基地に変貌した。

(RIMPEACE編集部 頼 和太郎)


横浜ノースドックを出港、観音崎を回りこみ東京湾の外に向かうモントフォード・ポイント (3.17 頼 撮影)


17日までモントフォードがとまっていたノースドックのバース。貨物船は20日に入港し、浮体を積み込み中 (3.22 頼 撮影)


2017-3-23|HOME|