LCUフォート・マッケンリー、横浜帰港


韓国での演習から戻り、横浜ノースドックに停泊するフォート・マッケンリー(LCU 2020)(2017.4.24 星野 撮影)

韓国の浦項(ポハン)で米韓合同演習に参加していた米陸軍大型揚陸艇(LCU)フォート・マッケンリーが、4月23日午前、横浜ノースドックに帰港した。

 フォート・マッケンリーが参加したのは、4月10日から21日にかけて韓国の浦項で行われた米韓合同演習「パシフィック・リーチ」のCJLOTS(Combined Joint Logistics Over The Shore)訓練だ。

浦項でのCJLOTSには、本来横浜に「燃料を抜いて保管」されていただけのはずのLCU10隻のうち3隻が参加した。フォート・マッケンリーとカラボザ及びブロードランだ。
フォート・マッケンリーは、3月28日に横浜を出港して浦項に向かった。カラボザとブロードランは、今年1月後半から沖縄に派遣され、日本及び東南アジアや東アジアを結ぶ輸送業務 に運用されているLCUだ。

「運用はされない」「運航はしない」という、横浜にLCUなどの揚陸セットを持ち込んだ当初の説明に反する運用が平然と行われている。

 横浜ノースドックからCJLOTSに参加したのは、LCU3隻だけではない。すでに本HPでも紹介したように、今年3月にノースドックに保管されていたMCS(筏及び桟橋セット)、 SLWT(Side Loadable Warping Tug)、LCM(Landing craft mechanized)typeT、LCM typeU、WT(Warping Tug)、ST(Small Tug)が、大量に貨物船に積み込まれ、 浦項に運ばれた。

 在韓米軍が発表したCJLOTSの写真には、横浜から派遣されたLCUが軍用車両をたくさん積んで、横浜から持ち込んだMCSで組み立てた桟橋に接岸して陸揚げしている様子が写されて いる。横浜から運び込んだSLWT、LCM、WT、STも、揚陸演習において重要な役割を果たしている様子がうかがえる。

 たんなる「保管」と称して横浜ノースドックに2002年以降に持ち込まれた米陸軍の揚陸セットは、米軍にとってグローバルな展開におけるロジスティクスを支える重要な基盤とし ての意味を持ち、使用されることをCJLOTSは示している。
横浜は米軍のグローバルな行動を支える基盤としての機能を持つ基地となっているのだ。

(RIMPEACE編集部 星野 潔)


4月10日、ポハンの陸軍臨時桟橋に軍用車両を陸揚げするLCUフォート・マッケンリー(DVIDS U.S. and ROK Forces Participate in OPRex17 より)


2017-4-25|HOME|