極東の米軍基地を巡回する自動車運搬船


横浜ノースドックに寄港中の自動車運搬船グリーン・レイク。埠頭上に運び込んだ車両が並ぶ


米空軍基地で使う緊急車両や、工事用車両がグリーン・レイクで運び込まれた(2017.7.21 頼 和太郎 撮影)

 自動車運搬船グリーン・レイクが、7月中旬から後半にかけて、各地の米軍基地を巡回しながら日本列島と韓国を縦貫した。

 7月13日に那覇軍港、17日に釜山に入出港して18日に岩国基地、20日朝には横浜ノースドックに到着した。ノースドックには23日の午後まで滞在した。

グリーン・レイクは、総トン数5万7623トン。戴荷重量トン数2万2799トン。全長199.93mの大型船だ。米国のMSA(maritime security act)により、定期的に米西海岸の港と極東地域の 米軍基地を巡回し、物資輸送業務に従事している、米国船籍の民間会社所有のローロー船(車両を自走で積み降ろしできる船)だ。
グリーン・レイク以外にも、グリーン・ベイやグリーン・リッジなどの自動車運搬船も、同様の業務に従事することがあるが、ここ最近は主にグリーン・レイクが担っているようだ。

 グリーン・レイクがノースドックを出港した後、Hバースには、黄色や濃緑色の作業用車両、米空軍所属の赤い消防車などが並んでいた。これらの車両は、グリーン・レイクが運んで きたものだろう。
地味だが、こうした車両やそれを運搬する船舶、そしてその拠点となるノースドックのような港が、米軍の軍事活動を支えているのだ。

 なお、今回の横浜出港の前日、7月22日には、停泊中のグリーン・レイクのランウェイを、横浜工作所と荷台に書かれたトラックなどが降りてくるのが目撃された。
同社は横浜市内で船舶修理・保守などを行っている会社だ。ノースドックで備蓄されているLCUなどの陸軍舟艇の定期修理を請け負ったこともある。
船内で、緊急のメンテナンス作業か何かがあったのだろうか。

(RIMPEACE編集部 星野 潔)


那覇軍港に停泊中のグリーン・レイク


那覇軍港停泊中のグリーン・レイクの後方に並ぶ海兵隊の車両群(2017.7.13 読者 撮影)


岩国基地の岸壁に停泊中のグリーン・レイク。手前は離陸滑走中のF35B(2017.7.18 戸村 良人 撮影)


2017-7-26|HOME|