LCU、沖縄から移動式射撃訓練セットを横浜に運び込む


8月19日にノースドックEバースに接岸した陸軍LCUカラボザ。コンテナと妙な物体を積んでいる(17.8.19 撮影)


LCUカラボザの積み荷は陸揚げされていた(8.21 撮影)

 8月19日の早朝、米陸軍大型揚陸艇カラボザ(LCU 2009)が横浜ノースドックのEバースに接岸した。
カラボザは、ノースドックに「保管」されていたはずの10隻のLCUのうちの1隻だが、今年の1月からブロードラン(LCU 2007)とともに沖縄に派遣され、東南アジア、東アジアを結 ぶ輸送業務や軍事演習支援業務に従事する小型輸送艇として使用されている。

 今回、カラボザは、甲板に大きな積み荷を載せて横浜に入港した。20フィートコンテナ3個と、四角錐の上方を切り取って下側には長方形のトンネルを通したような物体を3個だ。

 これらの積み荷は、翌日には陸揚げされてカラボザの横に置かれていた。
コンテナには、上から順に「US ARMY」「Sustainable Range Package」「DEPLOYABLE RANGE PACKAGE」と書かれている。

 米陸軍HPのarmy.milなどによると、これらの「DEPLOYABLE RANGE PACKAGE」と書かれた20フィートコンテナには、移動式射撃訓練セット一式が収納されているようだ。
具体的には、シャベル、サンドバッグ、レール、ポップアップするターゲットなどだ。
こうした移動式射撃訓練キットは、ヨーロッパのラトビア、エストニア、ルーマニア、ポーランド、ジョージア、ブルガリアなどに駐留する部隊にも送られているという。

 四角錐の上方を切り取ったような台形の物体も、おそらく、コンテナの移動式射撃訓練セットと一体で使用されるのだろう。

 今回、カラボザは、那覇軍港から横浜にやってきた。那覇軍港に入港する前にはホワイトビーチに接岸していたが、ホワイトビーチ滞在中には、コンテナなどの積み荷はカラボザに積まれていなかった。 カラボザが那覇軍港を出港したのは8月15日だ。8月13日の明け方までは、何も積み込まれていなかったことが確認されている。
つまり、横浜に運ばれてきた移動式射撃訓練セットは那覇軍港で、横浜に向けて出港する直前に積み込まれたということだ。

 移動式射撃訓練セットのコンテナと台形の物体は、陸揚げされた後、8月22日まではカラボザの横に置かれていた。しかし、23日には姿を消している。

 以下はいずれも推測だが、これらの移動式射撃訓練セットは、相模総合補給廠の備品を補充するために沖縄から横浜に運び込まれた可能性がある。
他方、もともと相模総合補給廠から横浜経由で沖縄に運び出されたものだった可能性もある。後者の場合には、沖縄から横浜に「戻されてきた」ということかもしれない。

(RIMPEACE編集部 星野 潔、撮影も)


沖縄から運ばれてきたコンテナには DEPLOYABLE RANGE PACKAGE と書かれていた


四角錐の上方を切り取ったような台形の物体も、コンテナの隣に並んでいた(8.22 撮影)


2017-8-31|HOME|