陸自地対艦ミサイル部隊、ノースドックに並ぶ


ノースドックに並ぶ陸自ミサイル部隊の車両群(18.2.19 頼 撮影)

 2月19日、横浜ノースドックに陸上自衛隊ミサイル部隊の車両群が並んだ。

 形状からみて12式地対艦誘導弾とみられる誘導弾発射筒を荷台に積んだ、弾薬運搬車とみられる74式特大型トラック(7tトラック)が少なくとも2台。実際に12式地対艦誘導弾を使用 する際に発射筒を搭載して発射する、重装輪車(トレーラーのようにみえる車両)も少なくとも2台以上。その他に、レーダーを積んだ車両や射撃管制装置とみられるトラックなども複数 並んでいた。

これら陸自12式地対艦誘導弾部隊の車両群がみられたのは、ノースドック中心部にあるグラウンドから見て海側の場所。アンテナの鉄塔の横だ。
 しかし、2月21日の午前11時過ぎまではこの場所に並んでいた陸自ミサイル部隊の車両群は、それからわずか数時間のあいだに姿がみえなくなった。

 横浜ノースドックは、これまでも陸上自衛隊のミサイル部隊のミサイル発射装置や車両の搬出入に使われてきた。陸自が米国でミサイル発射演習をする際に、ノースドックに発射装置 や車両が集められて船積みされ、演習を終えて米国から帰ってきたミサイル部隊が横浜ノースドックに陸揚げされてきたのだ。

 今回も横浜から船積みして搬出すために、12式地対艦誘導弾部隊の車両群は横浜に運び込まれたのだろう。

 この12式地対艦誘導弾は、九州及び沖縄方面に展開する陸上自衛隊西部方面隊の第5地対艦ミサイル連隊などに配備されている最新鋭の地対艦ミサイルだ。自衛隊が「島嶼防衛」を名目 に先島諸島など南西諸島に配置しつつあるミサイルが、12式地対艦誘導弾なのだ。つい先日も、沖縄本島への配備計画が大きく報道されたばかりだ。

 自衛隊の「島嶼防衛」構想は、中国等の軍艦が南西諸島の間を通行することをけん制して、実質的に太平洋に展開する米軍の盾となるという面もある。

しかし、これらの構想には、沖縄や奄美の島々に暮らす人びとのいのちや生活という視点が決定的に欠けている。盾にされるのは、島の人びとのいのちと暮らしそのものだ。沖縄や奄美 の人びとの暮らしの場を、再び戦場にすることは決して許されない。

今回横浜に現れた12式地対艦誘導弾は、そのような構想において、使用される主要な兵器の一つとして想定されているミサイルなのだ。

(RIMPEACE編集部 星野 潔)


2018-3-3|HOME|