米陸軍第73輸送中隊、ノースドックで訓練



クレーンバージ(BD)の捜査をEバースで行う訓練部隊(18.3.23 星野 撮影)

少し古い話になってしまったが、3月から4月にかけて、米国バージニア州フォート・ユースティス基地に所属する米陸軍第73輸送中隊の兵士たちが、横浜ノースドックで訓練を行った。

米軍の画像・動画サイトDVIDSによれば、訓練に従事した第73輸送中隊の兵士は15名。訓練期間は3月10日から4月10日だったようだ。

米陸軍事前配備貯蔵APS-4(Army Prepositioned stocks-4)の拠点である横浜ノースドックには、舟艇などの揚陸作戦用資材が配備されている。

第73輸送中隊の兵士たちは、舟艇などAPS-4の配備資材の管理、メンテナンスなどの作業に従事した。それは同時に、クレーンバージのクレーンの操作など、かれらの実務上の資格を確保するための訓練でもあったようだ。



陸上保管の港内タグ(ST)をクレーンバージでつり上げて海面に降ろした(18.3.28 星野 撮影)

たしかにノースドックでは3月から4月前半にかけて、クレーンバージを使ったクレーンの操作実習など、米兵がさまざまな訓練を行っている様子が目撃された。

 陸上保管されていた4隻のST(スモール・タグ)を海面に降ろしたことや、横浜港内でSTの航行訓練を行い、みなとみらい地区の臨港パークに1隻のSTが異常接近したことも、かれらの訓練の一環だったようだ。

 このように、APS-4の拠点である横浜ノースドックは、「在日米軍」ではない米国本土の米軍部隊が、「日本国の安全に寄与し、並びに極東における国際の平和及び安全の維持に寄与するため」(日米安保条約第6条)という安保条約上の「施設及び区域」提供の目的とは関係のない、米軍内部の都合のための訓練を行う軍事基地となっているのだ。

なお、米陸軍第73輸送中隊によって3月28日に海面に降ろされた4隻のSTは、4月26日に再び陸上の保管位置に戻された。この部隊の訓練が終了し、保管場所周辺の浚渫工事も終わったということだろう。

(RIMPEACE編集部 星野 潔)


クレーンバージ(BD)が大型車両をつり上げる訓練実施中(18.4.3 星野 撮影)


CV22がノースドックを飛び立った日も、ノースドック近くの海面でSTの訓練が行われた。(18.4.5 頼 撮影)


2018-5-6|HOME|