民間の新造自動車運搬船で、海兵隊車両が横浜から沖縄へ




ノースドックHバースからはみ出るように並んでいる沖縄海兵隊の車両(18.5.13 星野 撮影)

5月14日の朝、横浜ノースドックのHバースに、日本の民間企業が運行する自動車運搬船ひまわり8が接岸した。

その前日の13日、雨の中、横浜ノースドックのHバース周辺には、米海兵隊の車両や物資が大量に並べられていた。4月末から5月前半まで東富士演習場で行われていた「沖縄県道104号線越え実弾射撃訓練の分散・実施」が、終わったということだろう。実弾射撃訓練で使用した米海兵隊の車両や物資を沖縄に戻すために、東富士から横浜に再び運ばれてきたのだ。

今回、それらの車両や物資を横浜から沖縄まで海上輸送する業務を担うのが、この自動車運搬船ひまわり8だ。
実弾射撃訓練に使用する物資の輸送という米軍の軍事活動に、日本の民間企業の貨物船が組み込まれているのだ。請負契約の業務であっても、実態は米軍の活動を支える業務だ。そこで働いているのは、米軍の軍人ではない、民間の労働者だ。
労働者の安全は、本当に担保されるのだろうか。

ひまわり8は本来、東京港と北海道の苫小牧・根室を結ぶ定期航路で使用されている自動車運搬船だ。今回は、東京から北海道への航行を1回カットして、横浜で米海兵隊の車両などを積み込んで沖縄に向かうことになったのだ。

ひまわり8を運行している大手運輸企業のHPによれば、この自動車運搬船は昨年就役したばかりの新造船だ。同社HPには、ひまわり8について「上甲板部には危険品積載スペースを新設することで火薬類なども輸送可能」と書いてあるのが、気になるところだ。

 14日の朝に入港したひまわり8は、同日13時過ぎには積み込みを終えて横浜を出港し、那覇に向かった。

(RIMPEACE編集部 星野 潔)


レッカーで引かれて「ひまわり8」に最後に積み込まれた、自走不能な海兵隊のトラック


海兵隊の車両が積み込まれてカラになったノースドックHバースをあとにする自動車運搬船「ひまわり8」(5.14 頼 撮影)


2018-5-15|HOME|