米沿岸警備隊の船、横浜NDに寄港


横浜ノースドックに停泊する米沿岸警備隊カッター、アレックス・へーリー


ノースドックに「便乗停泊」した海保巡視船きたかみ

5月16日、米国沿岸警備隊の巡視船アレックス・へーリーが横浜ノースドックのHバースに接岸した。

海上保安庁によればアレックス・へーリーの入港は、5月19日および20日に開催された「海上保安制度創設70周年記念観閲式及び総合訓練」に参加するためということだった。

当初、4月27日に海上保安庁は、米国沿岸警備隊の別の船(ブイ設置船スパー)が横浜ノースドックに来ると発表していたのだが、5月10日にアレックス・へーリーへの変更が発表された。

5月16日に横浜ノースドックに停泊したアレックス・へーリーのすぐそばには、海上保安庁の巡視船きたかみも接岸していた。

しかし、そもそもなぜ、海上保安庁の式典に参加するために来日した米国の沿岸警備隊の船を、米軍基地に入港させたのだろうか。そして、なぜ巡視船きたかみも、横浜ノースドックに接岸していたのだろうか。

海上保安庁法第25条は、「この法律のいかなる規定も海上保安庁又はその職員が軍隊として組織され、訓練され、又は軍隊の機能を営むことを認めるものとこれを解釈してはならない」と規定している。つまり海上保安庁は、軍隊であることや軍隊の機能を営むことが明確に否定されている組織なのだ。
アレックス・へーリーは、そのような組織である海上保安庁の記念式典に参加するためにやってきた船だ。アレックス・へーリーが米国の沿岸警備隊の船だとしても、米軍の基地に停泊させるのは、筋が違う話だ。

たしかに5月16日には、海上保安庁の基地がある新港埠頭には、観閲式参加の巡視船が既にたくさん集まってきていて、混み合っていた。そして、山下埠頭にも巡視船が数隻停泊していた。
 しかしそれでもやはり、海上保安庁の式典に参加するためにやってきたアレックス・へーリーは、米軍基地以外の場所に接岸させるべきだったのではないか。

なお、アレックス・へーリーは、5月19日と20日の両日とも海上保安庁の行事に参加している。そして、20日にはノースドックに戻ることなく、横浜を離れていった。

(RIMPEACE編集部 星野 潔)(18.5.16 星野 撮影)


ノースドックに並んで停泊するアレックス・へーリーときたかみ


2018-5-29|HOME|