米軍ヘリ、横浜港内超低空飛行


ノースドック離陸後の基地の真上を低空で通過する米陸軍ブラックホーク


横浜港内を高度100メートル以下で飛行する米陸軍ブラックホーク(2018.8.30 頼 撮影)

8月30日にノースドックを離陸した米陸軍ブラックホークの1番機は、ランドマーク・タワーの展望フロアから見下ろすと、まるで海面すれすれを飛んでいるような錯覚を起こさせるほどの 低高度で横浜港内を飛行した。その後高度を上げて、ベイブリッジの南側を抜けて首都高をまたいでいった。

デジカメで追ったブラックホークのランドマークからの距離・方角をプロットした推定飛行コースは下図の通り。


赤いラインがブラックホークの推定航跡。星印が離陸地点。瑞穂ふ頭の米軍名称が横浜ノースドック。(国土地理院のWEBページの地形図を複写して加筆)


このコースを飛んだ米軍ヘリの海面からの高度を、上図の青い細線(ランドマークとベイブリッジを結ぶ線)に沿った下の立体図(のようなもの)を使って計算してみよう。
撮影場所の高度は273メートル、ベイブリッジと交差するポイントの海抜を20メートル(橋げたの高さ55メートルからの推定)、ランドマークタワーとベイブリッジの距離を3730メートルとすると、
仰角を θとして tan θ=253/3730、θ=arctan 253/3730、
273−(2710× sin θ) ≒ 90 となり、飛行高度は100メートル以下と推定される。(撮影地点とヘリの距離 2710 メートルは、カメラの焦点距離と、ヘリの画角から推定) 

「在日米軍は、国際民間航空機関(ICAO)や日本の航空法により規定される最低高度基準を用いており、低空飛行訓練を実施する際、同一の米軍飛行高度規制を現在適用している。」 (外務省 在日米軍による低空飛行訓練について)
日本の航空法の最低高度は、150メートルだ。飛行場以外から飛び立ったヘリには、離着陸時という言い訳もできない。そもそも3キロも4キロも飛行して高度150メートルまで上れないブラック ホークではあるまい。はじめから100メートル以下の高度で飛行する意図があったとしか思えない。

(RIMPEACE編集部 頼 和太郎)



2018-9-9|HOME|