ノースドックに並んで係留されているLCUの群れ。船橋後方部に注目。シダーラン(10番)と、
チカソーバヨー(12番)に、赤いゴムボートが搭載されている。(2018年8月11日 星野 撮影)

横浜港で米軍がゴムボート訓練



スピードを上げて横浜港内を走り回る米軍ゴムボート(8月17日 星野 撮影)

8月17日、横浜ノースドックで米兵が陸軍大型揚陸艇(LCU)シダーラン(LCU2010)に積まれているゴムボートを海面に降ろし、ゴムボートの操縦訓練を横浜港内で行った。

 シダーランなど横浜ノースドックに係留されているLCUの船橋後部には、ゴムボートが積まれている。このゴムボートの船体は、従来は灰色のものだったが、最近になって新たに赤いゴムボートを積むようになったLCUが数隻ある。単に色を変えただけでなく、性能を向上させた新型のものなのだろう。

 シダーランは、赤いゴムボートを積むようになったLCUのうちの1隻だ。ただし、シダーランの赤いゴムボートには、普段は灰色のカバーが被せられているようだ。

 沖縄に派遣され、小型輸送船として使用されていたLCUカラボザ(LCU2009)がこの8月に横浜NDに戻ってきた前後から、シダーランは試験航行を繰り返している。8月15日には甲板にコンテナを積み込んだ。マストには米陸軍輸送科の旗が掲げられるようになった。おそらくシダーランは、カラボザの代わりに輸送船として新たに派遣されることになるのではないか。

 さて、8月17日の16時半頃、LCUシダーランから降ろされた赤いゴムボートに、赤い救命胴衣を身につけた3人の米兵が乗り込み、主にノースドックと新港埠頭の間の横浜港内の海域をスピードを上げたり下げたりして走り回る訓練が行われた。
 新しいゴムボートの操作に習熟するための訓練だった可能性がある。

 ゴムボートは、ノースドックの埠頭から30メートルの範囲を超えて、ノースドック前面の海域を気ままに走り回った。
 およそ10数分、横浜港内を走り回った米軍の赤いゴムボートは、再びJバースのシダーランのもとへと帰っていき、シダーランに搭載されている小型クレーンで回収され、灰色のカバーを被せられて船橋後部の通常の位置に戻された。

 横浜港は、米軍の訓練施設ではない。民間の商港だ。ノースドックを提供されているからといって、勝手に港内で訓練することは許されない。なし崩しに基地機能を広げていくことは許されない。

(RIMPEACE編集部 星野 潔)


訓練終了後、LCUシダーランの船橋後方部に回収されるゴムボート


回収されて船橋後方部に置かれたゴムボートに、灰色のカバーを掛ける米兵たち(8月17日 星野 撮影)


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