民間海洋調査船オーシャン・インターベンション、横浜NDに短時間寄港


横浜ノースドックに接岸した海洋調査船オーシャン・インターベンション(9月8日、読者撮影)

 9月8日、米国のOCEANEERING社が保有する海洋調査船オーシャン・インターベンション(Ocean Intervention)が、横浜ノースドックに短時間寄港した。

オーシャン・インターベンションは、7月22日から26日にかけて横浜ノースドックに入港したのちに北海道の小樽港に向かい、小樽を拠点に、その比較的近い海域の海洋調査活動を行っていた。民間船とは言え、横浜ノースドックに立ち寄ってからの活動だ。米軍の、軍事目的の調査業務だろう。

 今回、オーシャン・インターベンションは9月5日に八戸港を出港して、8日の午前8時過ぎに横浜に入港し、ノースドックに接岸した。そして、同じ8日の13時過ぎには横浜を出港している。

 ごく短時間の寄港だ。寄港の目的は、調査活動で収集したデータの受け渡しではないか。小樽近海で行った軍事目的の海洋調査のデータを、米軍の担当部門に渡すために横浜ノースドックに立ち寄ったのではないだろうか。

 AIS(船舶自動識別装置)の情報によれば、オーシャン・インターベンションの次の目的地はグアムだ。グアムの海軍基地に向かっているのではないか。

 ところで、7月にオーシャン・インターベンションがノースドックに入港したことを伝えたこのHPの記事のなかで、筆者はこの船を米国船籍と書いたが、これは確認不足で間違っていた。オーシャン・インターベンションは、確かに米国のOCEANEERING社の海洋調査船であり、ニューオリンズを母港とする船だが、船籍は、旧ソ連を構成していた共和国の1つ、カザフスタンだった。

つまり、カザフスタン船籍の民間海洋調査船が、おそらくは米軍の業務を請け負って日本の小樽周辺で調査活動を行い、米軍基地横浜ノースドックに入港したということなのだ。

 なお、横浜ノースドックでは、すでに報じたように8月後半には米軍の海洋調査船マリー・シアーズが観測機器のコンテナなどを降ろし、新たに別の装置を設置して出港している。横浜ノースドックは、米軍の海洋調査や海洋情報収集活動の拠点の一つになっているのではないか。

(RIMPEACE編集部 星野 潔)


海洋調査船マリー・シアーズが8月後半に横浜NDに寄港した際に降ろされたものと見られるコンテナや自立型水中環境モニタリングロボットのランチアンド
リカバリーシステム。マリー・シアーズ出港後も、ノースドックにストックされている。9月始めにはこの場から移動している。(8月25日、星野撮影)


2018-9-9|HOME|