2機の白装束FA18、横浜から運び出される


(左)12月25日夜のノースドック(左)と26日昼のノースドック(右)。白装束の2機が消えている(頼 撮影)

 横浜ノースドックに並べられていた2機のFA18スーパーホーネットが、12月26日の午前中に姿を消した。
この2機は原子力空母ロナルド・レーガンの艦載機で、12月7日に横須賀から横浜に運ばれてきたものだ。



12月25日の夜、横浜ノースドックに入港・停泊するオーシャン・グローリー。甲板上には何も積まれていない。(12月25日、頼、星野 撮影)

 12月25日の夜から26日にかけて、ノースドックには米国船籍の民間大型貨物船オーシャン・グローリーが寄港していた。オーシャン・グローリーは民間船とは言え、米軍のMaritime Security Program Fleetに登録されている貨物船で、今年11月9日にも米陸軍パトリオットミサイル発射システムの車両や装備を回収して沖縄に運ぶために横浜にやってきている。

 12月25日の夜、オーシャン・グローリーは甲板上に何も積まずにノースドックに入港し、26日の朝には船倉のふたを開き、搭載されている巨大クレーンで何かを積み込む作業をしている 様子が目撃されている。
午前10時半頃には作業を終え、その後、船倉のふたも閉じている。そして同じ26日午後に、そそくさと横浜を出港していった。

現時点での情報では、オーシャン・グローリーの目的地はハワイのパールハーバーだ。その点が少し妙な感じもするが、この貨物船オーシャン・グローリーが、12月26日に2機の白装束 FA18を積み込んだ可能性が高い。


12月26日、朝からクレーンで積み込み作業をするオーシャン・グローリー。(12月26日、読者撮影)


12月26日午後、横浜ノースドックを出港する貨物船オーシャン・グローリー。(12月26日、星野撮影)

 この2機にそもそも何が起きたのか。故障であるならば、いかなる故障が発生したのか。原因は解明されたのか。安全対策はとられたのか。こうした日本社会に暮らす人びとの安全にかかわる 重大な情報を全く公開しないまま、米軍はこれらの故障機など存在しなかったかのように、隠れるように運び去った。

日本政府や自治体は、米軍からこれら2機についての情報を得ることはできたのだろうか。もしも情報を得ているのならば、なぜそれを公表しないのか。そもそも米軍に情報公開を求めたのか。
日本政府や自治体の仕事は、米軍の顔色をうかがうことではなく、日本社会や地域社会に暮らす人びとの安全を守ることではないのか。

(RIMPEACE編集部 星野 潔)


2019-1-1|HOME|