自動車運搬船グリーン・ベイ、横浜NDからミサイル発射装置を搬出か?


今年7月、自動車運搬船グリーン・ベイで搬出するために、横浜NDのHバースに運び込まれた資材や車両。茶色い大きな箱のようなものの影に白っぽい装置が置かれている。
(2019.7.17星野撮影)


別の角度から見た写真。白色っぽい装置の形状は、Mk29ミサイルランチャーによく似ている。(2019.7.14星野撮影)

1ヶ月近く前になるが、7月19日の正午頃に自動車運搬船グリーン・ベイが横浜ノースドックに入港し、その日の夜に出港していった。この時グリーン・ベイは、Mk29ミサイルランチャー (シースパロー艦対空ミサイルなどの発射装置)を積み込んで搬出した可能性がある。

 この、Mk29とみられる装置が横浜ノースドックのHバースに現れたのは、7月12日頃のことだった。みなとみらい地区など横浜港の中心部の方から見ると、茶色の大きな箱のようなものの影 に隠すようにして置かれていた白っぽい装置がそれだ。

 そして、その白っぽい装置の形状は、シースパロー艦対空ミサイルなどの発射装置として米海軍の一部の艦船に装備されているMk29ミサイルランチャーにそっくりだったのだ。ひょっとすると、 茶色の大きな箱にもミサイル関連の装置が入っていた可能性がある。

 しかし、いくつか謎も残る。
 まず、仮にそれがMk29ミサイルランチャーだったとして、どこから横浜NDに運ばれてきて、グリーン・ベイはどこに搬出したのだろうか。

 Mk29は、ニミッツ級原子力空母やワスプ級強襲揚陸艦などに備え付けられている対空ミサイル発射装置だ。とすると、今年前半に横須賀で行われた原子力空母ロナルド・レーガンの定期修理の 際にMk29を交換したのだろうか。そして、取り外された方のMk29を横須賀から横浜に運び込んだのだろうか。しかし、これはあくまでも単なる推測だ。
また、横浜からどこに運び出したのかも不明だ。

 さらに、ノースドックに置かれていた装置がMk29だったとしても、なぜ白っぽい色をしていたのか分からない。原子力空母ロナルド・レーガンに搭載されているミサイルランチャーは、艦と同 じ灰色に塗装されている。取り外された兵器を、わざわざ白っぽく塗り直す必要はない。

 とは言え、いずれにせよ、グリーン・ベイが7月19日に横浜で積み込んだとみられる白っぽい装置の形状は、米海軍の艦対空ミサイル発射装置、Mk29にそっくりだった。横浜港が、兵器の移送 の中継点として米軍に使用された可能性があるということなのだ。

(RIMPEACE編集部 星野 潔)


7月19日の夜、タグボートに引かれて横浜NDから離岸するグリーン・ベイ(2019.7.19星野撮影)


(左)空母レーガンの右舷前方のMk29ミサイルランチャーと、(右)左舷後方のMk29ミサイルランチャー(2019年5月 頼 撮影)


2019-8-15|HOME|