音響測定艦の曳航ソナーのメンテも横浜NDに/2


インペッカブルの「股の向こう」に、バージに乗ったリールが見える。その後ろはもう一隻の音響測定艦エイブル


インペッカブルの後ろに浮かべられたバージの上のリール。2本巻き取れる構造になっている(19.8.14 頼 撮影)

基地内で音響測定艦の曳航ソナーの点検整備を行うためのリール巻き取り作業が、ノースドックで十数年ぶりに始まっている。
8月14日には、インペッカブルとエイブルの2隻の音響測定艦がノースドックに寄港中で、インペッカブルの後方にバージがいて、その上に短めのリールが載っていた。
リールには "SHIPPING REEL, TOWED ARRAY" などの文字が書かれていて、さらに、再利用するから捨てるな、などという記載もあった。
今回使われているリールは、十数年前のものと比べて長さがだいぶ小さい。おそらく5分の一くらいだろう。これは、曳航ソナーの長さが短くなったことを意味している。


一本の長いソナーを曳く旧型の曳航ソナー
(Surveillance Towed Array Sensor System (SURTASS) and Compact Low Frequency Active (CLFA) Sonar, FY14 Navy PROGRAMSより)


アレイ2本を曳く新型の曳航ソナー(SEIS/SOEIS for SURTASS LFA Sonar、AUGUST 2018 より)

米軍の公式ページの中に、1本のラインと2本のラインの曳航ソナーのイラストが載っていた。一見して長さが違うのはあきらかだ。1本アレイ型は一説によるとアレイの長さは1500メートル (WIKIPEDIA、AN/UQQ-2 SURTASS)、新型はアレイの長さが約305メートル(SEIS/SOEIS for SURTASS LFA Sonar、AUGUST 2018)。
音響測定艦の準母港が横浜ノースドックから佐世保に移って以降に、この2本ラインの新型曳航ソナーが装備されたのだろう。横浜NDに戻ってきたときに、アレイを巻き取るリールが中央で分割 された短いものに代わっていたのはそのためだ。

ただ、旧型対応の長いリールもノースドックには少なくとも3本が野積みされている。いずれも佐世保から送られてきたものだ。まだまだ、一本アレイの旧型を搭載する船が出てくる余地がある、 ということだろうか?

(RIMPEACE編集部 頼 和太郎)


ノースドックの敷地内に、2本と1本に分けて野積みされている大型のリール(19.9.30 頼 撮影)


2019-10-12|HOME|