横浜NDに白装束FA18戦闘攻撃機


ノースドックに置かれているFA18Fスーパーホーネット。(2019.10.10読者撮影)


今年8月27日にFA18のNDへの陸揚げ作業に使われたと見られる大型クレーン車。(2019.8.27星野撮影)

 横浜ノースドックに今年8月末から、白い防湿フィルムで全身をコーティングされたFA18戦闘攻撃機が1機、置かれている。

 この機体は、遅くとも8月28日にはNDに置かれていたことが確認されており、その前日の8月27日には、NDに大型クレーン車が運び込まれ、横須賀基地からはタグボートなどの小型船舶 がやってきて、何らかの作業が行われていたことも確認されている。

9月3日に当HPに掲載した記事では、これらの大型クレーン車や小型船舶は横須賀基地から来たバージに駆逐艦のプロペラシャフトを載せるために使われたはずだと書いたが、その前段にもう一 つ大きな作業が行われていたのだろう。つまり、8月27日に、横須賀基地からFA18がバージに載せられタグボートに引かれて横浜にやってきて、大型クレーン車でNDに陸揚げされたという ことだろう。

 昨年も、7月後半と12月の2回、それぞれ1機と2機、横浜NDに白装束FA18が出現しているが、これらはいずれも原子力空母ロナルド・レーガンの艦載機だった。今回も、8月24日に レーガンが横須賀に入港した直後のND搬入だ。ロナルド・レーガン艦載機と見るべきだろう。

 今回の白装束FA18は複座のスーパーホーネット、FA18Fだ。岩国基地の拡張・強化に反対する広島県住民の会の調べによれば、原子力空母ロナルド・レーガンの今年5月から8月までの パトロール航海に参加した艦載機は63機。うち、VFA-102 ”Diamondbacks”所属のFA18FであるNF113が岩国基地に未帰還だ。

 つまり、今回横浜ノースドックに現れた白装束FA18は、原子力空母ロナルド・レーガン艦載の第102戦闘攻撃隊(VFA-102)所属のNF113と見るべきだ。

レーガンに載せられたまま横須賀にやってきて、バージで横浜に運ばれたということは、日本近海の原子力空母から岩国に向かうことができないほどの重大な故障を抱えているということだろう。

艦載機に深刻な故障が発生したことについて米軍は、横須賀や岩国、そして周辺自治体や米軍機が飛び回る日本社会、日本の政府に対して、その状況を知らせ、説明しただろうか。艦載機の故障は 墜落事故などに直結し、私たちの生命や暮らしの安全に直接かかわる重大な問題だ。

 米軍はFA18の故障の内容とその対策を説明すべきだ。原因が不明であるのならば、あるいは対策がなされていないのであるならば、他のFA18も飛ばすべきではない。そして、自治体や 政府は、米軍にそれを要求するべきだ。

(RIMPEACE編集部 星野 潔)


2019-10-12|HOME|