白装束FA18など、横浜で貨物船に搬入され米国へ


クレーンで吊り上げられたFA18。


2機目のFA18もオーシャン・ジャズの船倉へと搬入された。(2020.2.13星野撮影)

 横浜ノースドックに白装束姿で並べられていた2機のFA18戦闘攻撃機が2月13日、米国船籍の貨物船オーシャン・ジャズに積み込まれた。同じく横浜NDに並んでいたMV−22オスプレ イやMH−60ヘリコプターもオーシャン・ジャズに搬入された模様だ。

 翌2月14日午前、オーシャン・ジャズはサンディエゴに向けて横浜を出港した。

 オーシャン・ジャズは、12月7日から9日にかけて横須賀に入港して新型警備ボートと付属品を運び込んだ後、シンガポールに滞在していた貨物船だ。2017年9月にも横浜NDにやって来 て、日米合同軍事演習オリエント・シールドで使用する米陸軍ブラックホークヘリ13機をはじめ、ストライカー装甲車などの車両や物資を大量に運び込んだことは記憶に新しい。

 今回オーシャン・ジャズは2月3日にシンガポールを出て、どこにも寄り道することなく2月12日の昼頃に横浜NDに接岸した。しかし、12日に接岸したのは、大型貨物の荷積み作業を行う ことのできるND先端部のHバースではなく、高速輸送艦グアムの指定席でもあるBバースだった。オーシャン・ジャズのような大きな貨物船がBバースに接岸した理由は不明であり、きわめて 異例なことだ。

 12日の接岸後15時過ぎになって、オーシャン・ジャズはクレーンを動かして中央部の船倉の蓋を開ける作業をしていた模様だ。
 13日の午前中にはNDのBバースからHバースに移動をして、その後、搭載している巨大クレーンを使ってオスプレイ、ヘリ、FA18の順で船倉に積み込んだ模様だ。2機の白装束FA18 の積み込み作業は、14時50分前後から30分ほどかけて行われた。



 ところで、積み込まれた4機の米軍航空機は一体何だったのか。いずれも機体に何らかの問題を抱えていたからこそ飛行場ではない横浜に運び込まれ、こうして米国本土に向けて貨物船に載せて 送り返されたのだろう。

 FA18スーパーホーネットも、MV−22オスプレイも、MH−60ヘリコプターも、いずれも日本の上空を飛び回っている米軍機だ。そのような機体のトラブルは、日本社会で暮らす人びと と自然環境の安全に直結する大問題だ。
 これらの機体に一体何が起きて、それぞれの機種についてどのような安全対策を取ったのか。そうした情報を明かさないまま、そもそもトラブルが生じたことも知らせないまま、コソコソと横浜 から本国に向けて運び出す。ずいぶん姑息なことをするものだ。これが米軍の言う「良き隣人となるための活動」というものなのか。

 繰り返すが、これは日本社会の安全にかかわる大問題なのだ。

(RIMPEACE編集部 星野 潔)


2月13日、貨物船オーシャン・ジャズに船積みするため、横浜ノースドックのHバース上に並べられた2機の白装束FA18とMH60と見られる機体。
(2020.2.13読者撮影)


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