3月13日、横浜NDに入港した自動車運搬船グリーン・リッジ。(2020.3.13星野撮影)

陸揚げされた車両、ボートなど、横浜NDから横須賀、相模原へ


グリーン・リッジが今回横浜で積み込んだ緑色の装置。(2020.3.12星野撮影)


陸揚げされた車両、コンテナ、木箱、ボートとみられる物体など。(2020.3.18星野撮影)

 横浜ノースドックに3月13日の朝、自動車運搬船グリーン・リッジが寄港した。

 グリーン・リッジがNDに滞在したのは、3月13日から18日の昼過ぎまでだったが、この間、船体の修理が行われた。入港当日から、雨天だった3月14日を除き16日まで連日、船体中央部にバージが接舷して、喫水線近くの腐食部分を切除し、鉄板を溶接し表面を仕上げる作業が行われた。

 また、今回の寄港でグリーン・リッジは緑色の大きな装置2つを積み込んだ。それらの装置と同型と見られる物体は、これまでもしばしば横浜NDや横須賀基地で目撃されている。例えば、2017年2月に自動車運搬船グリーン・レイクがNDに入港した際に陸揚げされており、2013年10月には横須賀基地の12号バースの付け根辺りに白いシートで覆われた状態で運び込まれているのが目撃されている。今回も、これらの装置は横須賀基地からNDに運ばれてきたのだろうか。

 さらにグリーン・リッジは今回、複数のハンビーやトラック、HEMTT型タンクローリー、ブルドーザーなどの車両や、茶色の大きな木箱2つ、コンテナ、カバーを掛けて台車に載せたボートと思われる物体2つなどを3月17日に陸揚げした。

 陸揚げされたそれらの車両や物資などのうち、ハンビーとトラックは、3月19日の夜から20日の昼までの間にNDから搬出されたが、それら以外のものは、時間をおいて少しずつ搬出されている。

砂漠塗装のブルドーザー1台とHEMTT型タンクローリー2台は、4月1日ごろにNDの外に搬出されたようだが、相模補給廠監視団の調べによれば、それまで相模総合補給廠に4台置かれていた砂漠塗装のブルドーザーが、ちょうどこの時期に5台に増えている。また、NDに置かれていたHEMTT型タンクローリーと同じ型のタンクローリーが、相模総合補給廠に並んでいるのも確認されている。つまり、これらの車両は横浜NDから相模総合補給廠に運び込まれたということだろう。

4月9日には、白いカバーで覆われたボートとみられる物体1つと、茶色の大きな木箱2つが、横須賀海軍基地所属の米海軍タグボートYT804によって引っ張られてきたバージに積み込まれて、横須賀基地に向かった。

ボートとみられる物体は、グリーン・リッジから今回2つ陸揚げされていたが、既に4月1日ころには1つが運び出されていた。おそらく4月9日と同様のやり方で横須賀に運ばれたのだろう。白いカバーに覆われていて確認はできないが、このボートのような物体は、海兵隊が使用しているopen-water safety craftにシルエットがよく似ている。昨年9月に海兵隊が沖縄の本部港に運び込み、無理矢理出港させようとして市民に阻止されたボートもopen-water safety craftだ。

 なお、米海軍タグボートYT804は、昨年12月に貨物船オーシャン・ジャズで横須賀に運び込まれたものだが、このYT804と同時に横須賀に運び込まれた2つの木箱と、グリーン・リッジが横浜NDに陸揚げした2つの木箱は形が同じだ。さらに言えば、昨年7月にMk29ミサイルランチャーと見られる装置と一緒にNDに並べられていた茶色の箱も、今回グリーン・リッジが運び込んだものと同じ形の箱だ。これらの箱には一体何が入っているのだろうか。

(RIMPEACE編集部 星野 潔)


相模総合補給廠に並ぶ砂漠塗装のブルドーザー。4月になって4台から5台に増えた(2020.4.8相模補給廠監視団撮影)


相模総合補給廠に並ぶHEMTT型タンクローリー。2台が、今回横浜に陸揚げした車両とみられる(2020.4.10相模補給廠監視団撮影)


バージに載せられて横浜から横須賀基地に向かう2つの木箱とボート状の物体。米海軍YT804タグボートがプッシュ(2020.4.9読者撮影)


2020-4-12|HOME|