音響測定艦が次々と出港していった4月の横浜ND


4月17日、出港前日の音響測定艦エフェクティブ。(2020.4.17星野撮影)


4月15日、エフェクティブに搭載されているオレンジ色のボートが、ND前の
横浜港内を走り回った。埠頭上には陸自ホークミサイル部隊のトラックも見える。
(2020.4.15星野撮影)

 3月1日から横浜ノースドックに長く居座っていた音響測定艦エフェクティブが、春の嵐となった4月18日に、AIS(自動船舶識別装置)を切った状態のままNDから姿を消した。

4月20日になって、エフェクティブは相模灘付近にいることを示す信号を発し、その後、日本列島の南西方面に向かっていった。

4月18日から20日にかけてのエフェクティブの行動は不明だが、この間、相模湾で何らかの訓練を行っていた可能性がある。

 相模湾は、そのほぼ全域が「相模湾潜水艦行動区域」という名の米軍の訓練区域とされている。2017年8月24日の日米合同委員会では、「潜水艦訓練のため」と称する「7個の機器」の相模湾への設置が承認されている。

 昨年も、横浜NDを出港した音響測定艦が、この「7個の機器」が設置されたあたりの海域を何度も行ったり来たりすることがあった。「7個の機器」との関連は不明だが、相模湾が音響測定艦の訓練ないし試験航行の場としても使われているのではないか。

 ところで、コロナ禍が深刻となった3月から4月にかけても、横浜ノースドックには米海軍音響測定艦が相変わらず頻繁に出入りした。

 まず3月1日に入港したのが、音響測定艦エフェクティブだ。
入港直後の3月4日には、エフェクティブの艦橋上部のマスト周辺に足場が組まれた。エフェクティブには、昨年5月から6月前半にかけても同様の足場が組まれている。今回組まれた足場は、3月17日には取り外された。また、3月16日頃から3月19日頃までの間、エフェクティブに搭載されているオレンジ色のボートが降ろされ、埠頭上に置かれて何らかの補修あるいは調整作業が行われた。3月20日には、このボートは再びエフェクティブに取り付けられている。

3月26日には、音響測定艦ビクトリアスが入港した。
さらに3月31日には、音響測定艦ロイヤルも寄港した。
ロイヤルの寄港で、横浜ノースドックには3隻の米海軍音響測定艦が並ぶことになった。

 その後、4月4日にビクトリアスが、10日にはロイヤルが相次いで出港した。そして4月18日のエフェクティブの出港だ。

3月25日に発せられた米軍の移動停止措置は、音響測定艦には適用されないのだろうか。また、乗組員の「隔離」などはどのように行われたのだろうか。

(RIMPEACE編集部 星野 潔)


3月4日の昼過ぎ、エフェクティブ艦橋上部のマストの周囲に足場が組み立てられた。(2020.3.4星野撮影)


ビクトリアスの出港前日、3隻の音響測定艦が並ぶ横浜ND。左からエフェクティブ、ビクトリアス、ロイヤル。(2020.4.3星野撮影)


2020-4-25|HOME|