横浜ノースドック・年間まとめ−2

音響測定艦の出入りと米海軍戦略



横浜ノースドックの入港−出港日

音響測定艦は、長い曳航ソナーを引いて潜水艦の動きをトレースする。現在米海軍では4隻の音響測定艦が現役で動いている。2005年中に横浜ノースドックは、その4隻の音響測定艦全部の実質的な母港となったと見られる。

2005年の音響測定艦4隻の在港日数は延べ333日となった。1隻増えたのがロイヤルだ。
この船は大西洋艦隊に属していたが、太平洋艦隊に配属換えされて04年12月14日にノースドックに初入港した。ロイヤルが太平洋艦隊に来たことで、米海軍の現役の音響測定艦が全部太平洋に活動海域を移した。具体的には中国の潜水艦の活動が考えられる沖縄近海から東シナ海に、全部の音響測定艦を集中して哨戒させる態勢になった。

05年夏に太平洋艦隊司令官となったゲアリー・ルーヘッド大将は、対潜水艦戦闘を太平洋艦隊のトップ・プライオリティーに掲げた(05.10.3 星条旗新聞)
実際には、その方針はもっと前から具体化しつつあり、そのメルクマールの一つが全音響測定艦の太平洋艦隊への配備だった。やはり情報収集部門から「改革」は始まるものだ。

インペッカブルを除く3隻の任務遂行可能日数は連続90日だ。上掲の在港表を見ると、ビクトリアスとエフェクティブは05年前半の寄港インターバルには90日を越えている部分がある。おそらくグアムあたりに数週間滞在していたと思われるが、05年後半からは4隻とも2ヵ月前後のインターバルでノースドックに戻ってきている。ノースドックが実質的な母港となったと見られる。

それに伴い、10月からはそれまでなかった3隻同時寄港が増え、さらに06年1月中旬には4隻が同時に寄港するという事態にまでなっている。
横浜ノースドックは、トップ・プライオリティーの対潜水艦戦闘を遂行するための情報収集の大きな拠点となっている。

(RIMPEACE編集部)


2006年1月13日の横浜ノースドック。4隻の音響測定艦が初めて一堂に会した


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