鶴見貯油施設に接岸する中型タンカー


8月14日、鶴見貯油施設に接岸したパナマ船籍のタンカー、サニー・クイーン。(2020.8.14星野撮影)


海側から見た、鶴見貯油施設の「エリア1」の全景。引き込み線にタンク車が停車しているのが見える。(6.17 頼 撮影)

8月14日、鶴見貯油施設にパナマ船籍の中型タンカー、サニー・クイーンが接岸した。

鶴見貯油施設は、横浜市の臨海部にある米軍基地だ。航空機燃料(JP-8)を横田基地に供給する機能を果たしている。この基地の敷地は、タンカーが接岸できる海側(エリア1)とJR鶴見線の安善駅に隣接する陸側(エリア2)の2箇所に分かれていて、タンカーでエリア1に運びこまれた航空機燃料は、基地内にあるタンクで一時保管され、貨車や車両で横田基地に運ばれる。

米軍は横田を極東における重大なハブ機能を持つ基地と位置づけているが、その機能は航空機の燃料が供給されて初めて成立する。鶴見貯油施設が果たしているのはその死活的な役割である。

 サニー・クイーンは、極東米軍の燃料供給基地である韓国のウルサンから、横須賀をはじめ八戸や佐世保などの在日米軍基地などを巡回して燃料を運んでいる複数のタンカーのうちの一隻だ。今回は8月13日に横須賀の吾妻島に接岸し、翌14日に鶴見貯油施設にやってきた。

 サニー・クイーンが鶴見貯油施設に接岸するのは今年5月1日以来のことだが、少なくとも5月後半や6月にも、別の中型タンカーが吾妻島に滞在した後、鶴見貯油施設に接岸している。新型コロナウィルスの感染拡大が深刻化していても、燃料輸送は止まることなく続けられているようだ。

 なお、サニー・クイーンは、8月15日午前、鶴見貯油施設を離れ、出港した。AIS(船舶自動識別装置)の情報によれば、次の寄港予定地は韓国のオンサンだ。

(RIMPEACE編集部 星野 潔)


JR新川崎駅近くの貨物線を走るタンク車。タンクに米軍の航空燃料JP-8のマークが描かれている。
このようなタンク車が鶴見貯油施設と横田基地の間を定期運行している。(2019.11.5星野撮影)


吾妻島の燃料桟橋入港前に、横須賀基地沖で待機するサニー・クイーン(右上)(20.8.12 頼 撮影)


2020-8-17|HOME|