横浜ノースドックの戦時備蓄倍増の恐れ (6)

陸軍揚陸部隊リストラの計画、2年前に暴かれる


陸軍揚陸部隊リストラの計画を抜いたgCaptainのニュース

2019年1月14日、米国のインターネットニュースのgCaptainは「米陸軍はその上陸用舟艇と海上能力の大部分を放棄する意向」という記事をアップした。 大型揚陸艇(LCU)の写真がこの記事に添付されていた。

「今年、米陸軍の海上能力は急激に縮小される。陸軍海上部隊は現役任務を解かれ、多数の上陸用舟艇とその装備・システム、兵士、海上部隊が放棄される。

全部で35隻いるLCUのうち、少なくとも18隻は売り払われるか、DRMO(国防再利用販売事務所)に回されるだろう。

LCUは174フィートの汎用の舟艇で、軍事物資・兵員・コンテナなど500トンの積載能力がある。陸軍上陸用舟艇の働き頭だ。」

以上のフレーズに続き、「海から陸へ兵士・補給物資、装備、燃料、水を、整っていない環境の中で届けるのに、陸軍のLCUや、上陸用舟艇を指揮統制する能力に大きく依存している。 陸軍の揚陸指揮者や大小の揚陸舟艇、船乗りとして訓練された兵士たちは、軍事的な上陸支援でも災害救助でも中核となる。」

「陸軍上陸用舟艇と海上能力の縮小の口火を切った陸軍のメモ『部隊の解散による陸軍上陸用舟艇の再編』によれば、その意図するところは『陸軍予備役と州兵部隊を、上陸用舟艇維持・ 支援の任務から排除する』ということだ。」

「そこには、現行の上陸作戦遂行能力をどうやって維持するのか、という議論はないようだ。また現行の陸軍揚陸部隊の兵力の80パーセント近くを占める予備役兵士の今後の再配置に ついても議論はしていないようだ。」

「陸軍は、兵士を将来海の仕事に就けないとしている。また陸軍が上陸用舟艇システムを復活させることもない、と言っている。上陸用舟艇削減の最終目標は『マークを消した舟艇を DRMOに引き渡すことだ』

第一次大戦以来保持してきた陸軍の揚陸能力が悲しい最期を迎える。」

「遠隔地・港湾機能がない場所での軍事的な要請、人道支援の要請に、陸軍はどう応えるのだろうか?」

*** 以上、gCaptain の記事の抄訳(らしきもの) ***



クウェートに備蓄されているMSCを組み立てて海に浮かべ、事前集積艦から車両を降ろしてLCUなどに積み込む演習(2018.6.24 dvids より)

陸軍の重装備部隊を海外に展開する、という前提に立てば、事前集積艦に積まれている重戦車やりゅう弾砲などの装備を陸揚げするシステムとして、現行の陸軍揚陸部隊はぜひものだろ う。代替システムを示さずに、維持コストの削減を前面に押し立てて部隊の装備や兵員の削減を提起するのは、ちと無茶なように思える。

(RIMPEACE編集部 頼 和太郎)


海上につくられたいかだに事前集積艦から自走で降りる軍用車両(2018.6.24 dvids より)


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