2機のFA18、横須賀から横浜NDに


11月17日、横浜NDに運び込まれた2機のFA18。


2機が並べられたのは、横浜NDの中央部だ。(2020.11.17 星野 撮影)

 11月17日の午前、横浜ノースドックに2機のFA18戦闘攻撃機が横須賀から運び込まれた。米海軍のタグボートYT804が、FA18を載せたバージを横須賀から引っ張って横浜まで運ん だ模様だ。

 運び込まれた2機のFA18は、11月14日、横須賀に帰港した原子力空母ロナルド・レーガンの甲板上に載せられていた複座のスーパーホーネット、F型の機体だ。
岩国基地の拡張・強化に反対する広島県住民の会の調べによれば、11月にレーガン艦載機が岩国に戻ってきた後も、第5空母航空団(CVW-5)第102戦闘攻撃飛行隊(VFA-102)所属の NF101とNF111の2機のFA18Fは戻ってきておらず。所在不明となっている。11月17日に運び込まれた2機のFA18Fはいずれもモデックスナンバーが消されているようだが、おそらく、 このVFA-102のNF101とNF111と見て間違いないだろう。

 2機のFA18は、レーガンから岩国に飛行できないほどの何らかの故障を抱えていて、横浜から貨物船で本国に送り返されるのだろう。しかし、それがいかなる故障なのかについては 何も明らかにされていない。そもそも2機のFA18が飛行場など無い横浜に運び込まれたこと自体、発表すらされていない。

 近年、原子力空母がパトロール航海を終えて横須賀に戻ってくるたびに、横浜ノースドックに壊れたFA18が運び込まれることが通例となってしまった。
 2018年7月後半に1機、同年12月8日に2機、2019年8月後半に1機、同年11月20日に1機のFA18がそれぞれ横浜ノースドックに運び込まれ、いずれについても何も情報公開されないまま、 その後、貨物船で本国に搬出されていった。

FA18は日本の上空を「我が物顔」で日常的に飛行している機体だ。その機体に生じた問題は、日本社会で暮らす人びとの安全に直結する問題だ。米軍は、直ちに故障の内容とそれについ ていかなる安全対策を行ったのかを明らかにするべきだ。日本政府は米軍に公表を強く要求すべきだ。神奈川県も横浜市も、米軍や日本政府にそれを求めるべきだ。

ところで、2018年以降横浜ノースドックに運び込まれたFA18は、搬入直後に白い防湿フィルムで全身をコーティングされて白装束姿になるのが通例だったが、今回運び込まれた2機の FA18は、12月5日の時点になってもまだ機体全体をコーティングされておらず、白装束姿にはなっていない。理由は不明だ。

(RIMPEACE編集部 星野 潔)


搬入翌日のFA18。(11.18 読者 撮影)


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