米韓演習で海上基地構想を裏付けた揚陸補助艦ー2



ポハンの東海上で揚陸補助艦モントフォード・ポイントの甲板に海上から乗り込むボノム・リシャールのLCAC(2016.3.17 U.S.NAVY)

3月13日に揚陸補助艦と海上で接舷して車両の移送態勢をつくる訓練をした事前集積艦ストックハムは、16日にはポハンに接するドグ湾に戻った。近くには貨物弾薬補給艦サカガウィ(T-AKE 2)が停泊していた。サカガウィは2月17日に沖縄・天顔桟橋で積み込んだ海兵隊のコンテナやバッグを GWANGYANG 港に運んだあとポハンに回ってきた。ポハンがキーリゾルブ・サンヨン演習の増援部隊の集積地になっていた。

一方、モントフォード・ポイントはポハン東方海上にとどまり、南北に往復する航跡を描いていた。
3月17日、近くに展開していた強襲揚陸艦ボノム・リシャール(LHD 6)のLCACが、モントフォード・ポイントのLCACゲートに入る訓練を行なった。
事前集積艦からモントフォード・ポイントに移動した車両は、LCACゲートで積まれて揚陸地点に向かう。ノースドックを2月21日に出港した時、モントフォード・ポイントはLCACを積んでいなかったし、途中、佐世保によってLCACを仕込んだ動きもなかった。また13日のストックハムとの接舷時にもLCACの姿は写っていない。

強襲揚陸艦のLCACは、揚陸第一波を運んだあと、今度は揚陸補助艦に乗り込み車両を受け取り揚陸地点に運ぶ、という流れなのだろう。LCACは係留港になっている横浜ノースドックで積んで待機しているのではなく、また佐世保に立ち寄って載せるのでもなく、揚陸艦に載っているLCACを時間差を持ってシェアする、というのが揚陸補助艦での基本的なLCAC運用方針になっているようだ。

キーリゾルブ・サンヨン演習の終了する前日の19日、モントフォード・ポイントはポハン東海上を離れて南下を始めた。横浜ノースドックに戻ってくる可能性が大きい。 (続く)

(RIMPEACE編集部)


天願桟橋で沖縄海兵隊の装備を載せる貨物弾薬補給艦サカガウィ(2016.2.17 撮影)


2016-3-20|HOME|