横浜NDに並べられていたCBRN訓練の資材や車両


横浜NDから搬入され、厚木基地のCBRN訓練実施区画に並ぶ米陸軍車両の一部。(2021.2.8爆音訴訟調査研究センター撮影)


昨年12月以来、横浜ノースドックに並べられていた車両やコンテナ(手前のえんじ色や青色のもの)。
トラックなどには、何らかの装置が荷台に載せられているものが多い。(1.5読者撮影)


横浜NDから車両の搬出が始まった2月5日の写真。トラックが移動を開始し、車両群のなかに、積み込みに
使うものと見られるクレーン車が停車している。車両は2月7日までにすべて搬出された。(2.5星野撮影)

 2月5日から厚木基地でCBRN(化学、生物、放射線及び核)訓練が始まった。9月30日までの約8ヶ月間にわたる米陸軍の訓練だという。2月5日開始の訓練だが、防衛省は直前の1月28日まで訓練実施を発表せず、地元にも伝えなかった。1月28日に行われた発表も、訓練の具体的内容についてはほぼ何も説明していない。

 訓練開始日とされた2月5日、横浜ノースドックに動きがあった。横浜NDの中央部に並べられていた大量の軍用車両の搬出が始まったのだ。2月7日には、すべての軍用車両の搬出が終了した。さらに2月13日には、車両の横に置かれていたコンテナも、NDから搬出された。

 搬出された軍用車両やコンテナの行き先は、厚木基地の、CBRN訓練の実施区画だった。  既に以前の記事に書いたとおり、これらのコンテナと車両の多くは、12月11日に自動車運搬船グリーン・レイクが横浜NDに搬入して、その後NDの中心部に並べられていたものだ。車両の数は、12月後半にも2度にわたって増えていた。

つまり、横浜NDに12月から並べられていたこれらの車両や資材は、厚木基地で実施する「化学、生物、放射線及び核訓練」用のものだったということだ。
 横浜NDに並べられていたトラックなどの車両には、荷台に何らかの装置を載せているものが多く見られた。それらの装置にもいくつもの種類があるようだったが、いずれもCBRN訓練用の装置なのだろう。

 横浜NDに持ち込まれていたCBRN訓練に使用する装置は、そもそもどのようなものなのだろうか。安全性は、誰がどのように保障するのか。日本政府は独自に安全性をチェックしたのか。

 「化学、生物、放射線及び核訓練」の車両や資材や装置を事前に横浜に運び込み、2ヶ月近く屋外に置いておくこと、そしてそれらがどのような装置なのかということ、厚木基地まで市街地を移動することなどについて、米軍や防衛省から神奈川県や横浜市に事前に説明はあったのだろうか。少なくとも神奈川県や横浜市は、そのような説明があったとは市民に対して発表していない。

(RIMPEACE編集部 星野 潔)


昨年12月11日に自動車運搬船グリーン・レイクが陸揚げしたコンテナも、2月12日までは横浜NDの中央部に
仮置きされていたが(写真の赤丸部分)、翌13日には厚木基地に向けて搬出された。(2.12星野撮影)


横浜NDから厚木基地に搬入されたコンテナ(矢印部分)。(2.18爆音訴訟調査研究センター撮影。矢印も同センターによる)


2021-3-15|HOME|