陸軍大型揚陸艇、仙台港に軍事物資を運ぶ


11月18日、横浜ノースドックに入港したLCUカラボザ。甲板にはコンテナを満載している。


11月18日の夕方には、カラボザの後方に高速輸送艦プエルト・リコが接岸した。

 11月18日の朝、横浜ノースドックに陸軍大型揚陸艇(LCU)カラボザ(LCU2009)が入港した。カラボザは那覇軍港を11月15日の朝、出港しているので、ほぼ3日間かけて横浜に到着したということになる。

カラボザは、本来、保管するだけで運用はしないという約束で2000年代初頭に横浜ノースドックに搬入された10隻のLCUのうちの1隻だ(2020年にはさらに2隻のLCUがクウェートから横浜に運び込まれている)。現在では米軍は平然と約束を反古にして、ほぼ常時2隻のLCUを取っ替え引っ替え小型輸送船として沖縄を拠点に運用しているが、現時点で運用中のLCUのうちの1隻だ。

今回カラボザは、甲板上にコンテナを満載して横浜に入港した。それらは那覇軍港で積み込まれたものだ。そして、積んでいたコンテナを横浜に陸揚することなく、カラボザは翌11月19日の昼近くに横浜を出港し、仙台に向かった。

カラボザは11月20日の夕方、仙台港の高松2号埠頭に入港し、翌21日の昼近くに出港している。

民間港である仙台港に入港して、米陸軍大型揚陸艇カラボザは積んでいたコンテナを陸揚げしたのだろう。そしてそれらには、今年12月4日から17日までの日程で、王城寺原演習場、岩手山演習場、八戸演習場、霞目駐屯地、矢臼別演習場等で実施されるという、陸上自衛隊と米海兵隊による大規模合同軍事演習、「レゾリュート・ドラゴン21」で使用する軍事物資が入っていたのだろう。「レゾリュート・ドラゴン」は、昨年度まで「ノーザン・バイパー」という名称で行われていた演習を改称したものだ。

 自衛隊と米軍の「軍事一体化」は、米軍が「当たり前」のような顔をして、日本各地の民間港を軍事使用するということでもあるのだ。

(RIMPEACE編集部 星野 潔)(2021.11.18星野撮影)


夜になっても、カラボザからコンテナが降ろされることはなかった。そして、翌日、カラボザは仙台に向かった。


2021-11-24|HOME|