陸自戦闘車、米軍揚陸艇で横浜から「出撃」(2)

米陸軍LCU、陸自戦闘車を佐世保に上陸させる


2021年9月23日、3両の16式機動戦闘車を積んだあと、横浜ノースドックの埠頭先端部に移動したLCUカラボザ。(2021.9.23星野撮影)



LCUカラボザに積まれ、カバーを掛けられた3両の16式機動戦闘車。(9.23星野撮影)

 2001年9月23日に横浜ノースドックで3両の16式機動戦闘車を積んだLCUカラボザは、積み込みを終えた直後に、「みなとみらい地区」や大さん橋の側から見て反対側にあるLCU(陸軍大型揚陸艇)の溜まり場(保管場所)から移動して、大さん橋から見える側の、埠頭先端部に接岸した。

 翌9月24日の朝、3両の陸自機動戦闘車を積んだLCUカラボザは横浜を出港し、27日に佐世保基地に到達して戦闘車を上陸させた。まさに陸上自衛隊の「機動展開等訓練」だったわけだ。


LCUカラボザから佐世保基地に上陸する16式機動戦闘車。
米軍画像サイトDVIDSより写真引用。https://www.dvidshub.net/image/6857781/836th-transportation-battalion-transports-jgsdf-maneuver-combat-vehicles-fleet-activities-sasebo

 自衛隊は、機動戦闘車を大型揚陸艇に積んで上陸させて戦闘を行うことを、本気で想定しているのだろうか。
  防衛省の2022年度予算案には、「島嶼部への輸送機能を強化するため」と称して、「中型級船舶(LSV)」(すなわち兵站支援船)と「小型級船舶(LCU)」(すなわち大型揚陸艇)各1隻を、合わせて102億円で取得することが計上されている。
  自衛隊が、南西諸島を戦場にして戦争することを視野に入れた装備の購入ではないか。
  そのような戦争の構想は、南西諸島で暮らす人びとの生命や生活を犠牲にするものだ。絶対に許すことはできない。南西諸島を再び戦場にしてはならない。

(RIMPEACE編集部 星野 潔)


2016年9月17日から24日にかけて横浜ノースドックに入港した、米陸軍兵站支援船(LSV:Logistics Support Vessels)ハロルド・C・クリンガー。(2016.9.17星野撮影)
防衛省の2022年度予算案の解説書『我が国の防衛と予算(案)』の、LSV取得に関する記述には、クリンガーと同型の米陸軍LSVの写真が掲載されている。



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