2機のCV22オスプレイ、横浜ノースドックを離陸して横田へ 写真速報


6月9日の午前11時過ぎ、横浜ノースドックの先端部に2機のCV22オスプレイが並んだ。

11時33分頃、横浜ノースドックを離陸する1機目のオスプレイ

6月9日の午前11時33分頃と午後12時少し過ぎに、横浜ノースドックから2機のCV22が相次いで離陸した。1機目は11時40分頃横田基地に到達した。2機目も横田基地に向かった模様だ。

最初に飛び立ったCV22は、横浜ノースドックを離陸した後、横浜港内でモード転換を行い、固定翼モードとなって横田基地に向かった。他方、2機目に飛び立ったCV22は、横浜ノースドックを離陸した後、基地上空で固定翼モードに転換することはせずに横浜市上空を横田基地の方角に飛んでいく様子が確認された。
いずれも、「運用上必要な場合を除き、通常、米軍の施設及び区域内においてのみ垂直離着陸モードで飛行し、転換モードで飛行する時間をできる限り限定する」(北関東防衛局「CV−22オスプレイの横田飛行場への配備について」(2018年5月31日)より引用)と決められた日米合同委員会合意違反だ。
今回の合意違反について米軍が「運用上必要な場合」だと強弁するのであれば、この合意など始めから米軍は守る意志が無いということだろう。日本政府そして防衛省は、米軍からコケにされていることを何とも思わないのだろうか。それとも、日本政府も米軍と一緒になって、守るつもりなどない「約束」が存在しているフリをしているだけなのだろうか。

そもそも、横浜ノースドックは空港でもヘリポートでも無い。航空法では、空港やヘリポート以外の場所での離着陸を原則禁止している。そして日本政府は、米軍機の訓練飛行の問題を国会で問われた際に、航空特例法が存在するといえども米軍は日本の法令を尊重しているという趣旨の答弁を繰り返している。
にもかかわらず、またもや米軍は航空法の規定を踏みにじった。

ところで、これまで判明した情報を総合すると、この2機のCV22オスプレイは、6月2日に横浜ノースドックに現れた3機のCV22とは機体番号が異なるようだ。要するに、異なる機体のようだ。
つまり、サンディエゴからやって来て、6月6日の朝から8日の朝まで横浜ノースドックに寄港していた貨物船、SLNCヨーク(SLNC YORK)から陸揚げされた機体とみられる。
他方、6月2日に現れて横浜ノースドックの倉庫の陰に折りたたまれて並べられていた3機のCV22は姿を消している。これらの3機はSLNCヨークに積み込まれたようだ。

AIS(自動船舶識別装置)の情報によると、SLNCヨークは横浜を出港した後、那覇に向かっている。那覇軍港には、沖縄県や那覇市の繰り返しの抗議を無視して6月6日に飛来した3機のMV22オスプレイが駐機している。
貨物船SLNCヨークは、那覇軍港に飛来した3機のオスプレイも積み込んで米本国に運ぼうとしているのだろうか。


まず最初に離陸することになるCV22の飛行準備が、埠頭先端部で行われている

もう1機のCV22も、建物の陰から引っ張り出されてきた。

2機並んで飛行準備作業が進む


11時33分頃、向かって右側に駐機していた1機目が離陸した


基地上空では無く、横浜港上空で転換モードから固定翼モードへの転換を行った。日米合同委員会の合意に違反する危険な行為だ


12時過ぎには、もう1機のオスプレイも離陸した




こちらの機体は、固定翼モードにはならないまま、横浜市上空を横田の方向に向かって飛んでいった

(RIMPEACE編集部 星野 潔)(22.6.9 星野 撮影)


2022-6-10|HOME|