横浜ノースドックに陸自地対艦ミサイル部隊(1)
―12式地対艦誘導弾発射システムの車両が集結―




横浜ノースドックの建物の陰に隠すように並べられた、12式地対艦誘導弾(ミサイル)の発射装置を載せる車両や弾薬運搬車(22.6.18 読者 撮影)


発射装置やミサイルキャニスター以外の、射撃統制装置やレーダーなどのミサイル発射システムは、人目に付く場所に「堂々と」並べられている
(上の写真:22.6.18 読者 撮影)(下の写真:22.6.18 星野 撮影)


横浜ノースドックに6月14日頃から、陸上自衛隊の地対艦ミサイル部隊の車両が集結している。12式地対艦誘導弾のミサイルランチャーを含む発射システムの車両群だ。

ミサイル発射システムのうち、射撃統制装置やレーダー装置を積んだトラックなどは、「みなとみらい地区」や大さん橋から見える場所に並べられている。
他方、ミサイル発射装置やミサイルキャニスターなどは、「みなとみらい地区」や大さん橋からは死角になる建物の陰に身を寄せるように並べられている。
自衛隊は、ミサイル部隊を大都市のど真ん中、そして観光地でもある横浜港のど真ん中に集結させたことを隠しているつもりなのだろうか。

そもそも横浜港のど真ん中にミサイルを持ち込むこと自体、きわめて危険なことだ。
横浜ノースドックの建物の陰に並べられたミサイル発射装置やミサイルキャニスターの中に実弾は込められているのか、どのような安全対策を行っているのか、直ちに横浜市や神奈川県は確認作業を行い、退去を求めるべきだ。
横浜市は日頃から、米軍に対し横浜ノースドックに弾薬を持ち込まないように申し入れていると主張している。であるならば、自衛隊がミサイルを持ち込むことも拒否すべきだろう。
仮に今回は実弾が装填されていなかったとしても、実弾の有無が把握できないミサイルキャニスターを横浜港に持ち込むこと自体、認めるべきではない。

今回横浜ノースドックに並べられた12式地対艦誘導弾は、陸上自衛隊が南西諸島への強行配備を進めている地対艦ミサイルだ。南西諸島の島々からこのミサイルで海上の艦船を攻撃するというのだ。
米軍の戦略に組み込まれた、実質的には自衛隊が米軍の「盾」となって戦争する構想だ。
逃げ場のない住民の生命は、その構想の視野にすら入っていない。

(RIMPEACE編集部 星野 潔)





ミサイル部隊の車両は6月14日頃、横浜ノースドックに並べられた。
(上の1枚目の写真:22.6.14 星野 撮影、2枚目以下の写真:22.6.14 読者 撮影)


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