横浜港上空に飛来する空軍ヘリ


7月27日の16時41分頃、横浜ノースドック上空を上昇するUH-1ヘリコプター

「96639」の数字が見える。横田基地所属の機体だ。ノースドック上空から山手地区上空に移動している

7月27日16時41分頃、横浜ノースドックの先端近くを上昇していくヘリコプターの姿が視認された。
上昇していたのは、米空軍UH-1ヘリ。垂直尾翼に「96639」の数字が書かれた横田基地所属の機体だ。
このUH-1ヘリが、その直前に横浜ノースドックに着陸していたのかどうかはまだ確認ができていない。しかし、そもそも港湾や市街地上空での低い高度での飛行が危険であることは間違いない。

このとき上昇していたUH-1の近くには、瑞穂埠頭に設置されている横浜市の風力発電施設「ハマウィング」があった。
「ハマウィング」のタワーの高さは78メートル。ローターの直径は80メートル。従って、ブレードが地面と垂直の位置になった場合には、ブレードの先端は地上118メートルになる。
27日にノースドック上空を飛行していたUH-1ヘリの高度は、視認できた時点で上昇中だったが、それでも「ハマウィング」2つぶんか、あるいはそれより少し高いくらいでしかなかった。つまり、航空法上の最低飛行高度300メートルに達していなかった可能性があるということだ。
また、UH-1が飛行していた位置は、「ハマウィング」から水平距離600メートル以内だった可能性もある。もしもそうであったとすれば、「ハマウィング」のてっぺんから300メートル以上高い位置を飛んでいなければ最低飛行高度の規定違反ということであり、その点でも航空法の規定を踏みにじっていた可能性がある。
もしも万一、このUH-1ヘリが横浜ノースドックに着陸していて、そこから離陸して上昇していたということであったならば、そもそも飛行場やヘリポートではない横浜ノースドックに着陸していた時点で、航空法の規定に反している。

横浜ノースドック上空を上昇したUH-1は、横浜市中区の山手地区や本牧ふ頭付近の上空に移動し、そこで周回飛行を行った。基地間移動で通過する際の「やむを得ない」飛行ではなく、人口密集地上空での明らかに不要で危険でもある周回飛行だった。写真撮影した地点から見た機体の位置から考えると、この周回飛行の際にも、航空法上の最低飛行高度が守られていなかった可能性もある。
そもそも横浜市の中心市街地や港湾の上空は、米軍に提供された訓練空域では無い。
そこで平然と不要な周回飛行を行うことは、まさに人びとの安全を脅かす危険な行為であり到底許されることではない。
山手地区や本牧ふ頭上空での周回飛行を終えたUH-1は、高度を上げて横浜市磯子区沖の海上や臨海工業地域の上空でも周回飛行を行ったあと、横浜市金沢区付近から逗子・鎌倉方面へと飛び去って行った。

(RIMPEACE編集部 星野 潔)(2022.7.27 星野 撮影)


山手地区上空から本牧ふ頭上空にかけての周回飛行を開始している



窓から手を出しているようだ



山手地区や本牧ふ頭上空での周回飛行のあと、磯子方面へと移動した


UH-1の飛行が視認される少し前の横浜ノースドック


2022-7-28|HOME|