揚陸艦ラシュモアが横浜入港(1)
―武装した「軍艦」の、異例の横浜入港―


9月1日、横浜ノースドックに接岸するドック型揚陸艦ラシュモア

現在、横浜ノースドックは多数の艦船で混雑している。右から2隻目がラシュモア。その右は同じ9月1日に入港した給油艦ティピカヌー。ラシュモアの左隣は音響測定艦ビクトリアス、その左は弾道ミサイル追跡艦ハワード・O・ロレンゼン、その左は高速輸送艦グアム、さらにその左は海洋調査船オーシャン・インターベンション

接岸作業をする乗組員

後部甲板には、コンテナや車両などが積まれている


9月1日の13時過ぎ、横浜ノースドックにドック型揚陸艦ラシュモア(RUSHMORE LSD 47)が入港し、同じ日の午前中に横浜に入港していたヘンリー・J・カイザー級給油艦ティピカヌー(TIPPECANOE T-AO-199)の隣に接岸した。

ラシュモアの横浜入港は初めてであり、海軍のドック型揚陸艦の横浜入港も初めてではないか。それだけでなく、観艦式などの行事に伴う入港以外での武装艦船としての軍艦のノースドック入港も、きわめて異例のことだ。軍艦として就役している第7艦隊旗艦ブルーリッジが2016年5月に入港した事はあったが、横浜ノースドックは通常、陸軍の揚陸作戦用の艦船や海軍の補助艦艇、軍のチャーターした貨物船や観測船などの民間船が使用する港であり、武装した軍艦の入港はきわめて異例であることは確かだ。

ラシュモアは上陸部隊の海兵隊員を載せ、上陸艇としてLCACなどを積んで発進させることができ、後部には飛行甲板も備えた揚陸艦であり、近接防空ミサイルのランチャーを2基、25ミリ機関砲を2基、CIWS(Close In Weapon System:近接防空システム)としての20ミリ機関砲を2基、さらに12.7ミリ機銃を6基備えた、まさに武装した軍艦だ。
任務航海中の寄港であり、当然弾薬も積んでいるのだろう。
多数の海兵隊員を載せているのも確認できたので、上陸部隊としての海兵隊の武器弾薬も積んでの入港だろう。
今回のラシュモア入港は、横浜ノースドックの使用形態の、明らかな大きな変更ではないか。
米軍が一気にタガを外しにかかってきた、ということではないか。

横浜市や神奈川県はラシュモアの入港について事前に通知を受けていたのだろうか。
ラシュモアの横浜入港に対して、横浜市や神奈川県はどのような対応をとるつもりだろうか。

(RIMPEACE編集部 星野 潔)(22.9.1 星野 撮影)


ミサイルランチャー、機関砲、機銃が見える。ラシュモアは、まさに「軍艦」だ


2022-9-2|HOME|