155ミリりゅう弾砲など、横浜から搬出


9月9日の朝、横浜ノースドックに接岸した自動車運搬船「わかなつ」(22.9.12 星野 撮影)


「藤木企業」と書かれたフォークリフトによって引っ張られてきた155ミリりゅう弾砲。これから自動車運搬船に搬入される(22.9.12 星野 撮影)

9月12日、横浜ノースドックから海兵隊の155ミリりゅう弾砲や各種車両などが自動車運搬船に積み込まれ、那覇軍港に向かった。

155ミリりゅう弾砲や軍用車両などが積み込まれたのは、琉球海運の自動車運搬船「わかなつ」だ。普段は主に先島航路で運行されているが、今回は海兵隊にチャーターされてきたのだろう。
積み荷は、防衛省発表によれば8月28日から9月6日まで東富士演習場で行われた「沖縄県道104号線越え155ミリ榴弾砲実弾射撃訓練の分散・移転」と称する演習で使用された、りゅう弾砲や車両その他の資材だろう。
それらの多くは、「わかなつ」への積み込み直前に横浜ノースドックに運ばれてきたようだ。

8月23日にこれら155ミリりゅう弾砲や各種軍用車両などが那覇軍港から横浜ノースドックに運んで陸揚げしたのも、琉球海運の自動車運搬船「しゅれいU」だった。
東富士演習場から155ミリりゅう弾砲や少なからぬ軍用車両を横浜に運んで来たのも、日本の民間運送会社のトレーラーやトラックだった。 外国の軍隊である米軍の物資輸送に、日本の民間企業が組み込まれているのだ。


軍用車両などの積み込み作業が行われている。まだ民間運送会社のトラックの荷台に載せられたままの車両も見える(22.9.12 星野 撮影)


レッカー機能を持った車両が、後方のトラックを牽引してランプを昇っていく(22.9.12 星野 撮影)



藤木企業のフォークリフトによって砲口部分を牽引されて、自動車運搬船に搬入される155ミリりゅう弾砲。写真では分かりにくいが、数人の海兵隊員もランプの横で見守っている(22.9.12 星野 撮影)


「わかなつ」の向こう側の埠頭上で、クレーンを使って、民間運送会社のトラックやトレーラーから海兵隊の155ミリりゅう弾砲や車両などを降ろしている(22.9.12 星野 撮影)


東富士演習場から横浜ノースドックまでの輸送を追えたトレーラーが、ノースドックから出ていこうとしている(22.9.12 星野 撮影)

なお、今回の155ミリりゅう弾砲実弾射撃演習との関連は不明だが、9月12日頃から、横浜港の本牧ふ頭D突堤にも米軍のものと見られる車両が並んでいるのが目撃されている。
横浜港内で米軍が使用している埠頭は、実は横浜ノースドックだけではない。コンテナ埠頭である本牧ふ頭D突堤も、米軍が車両やコンテナの輸送のために頻繁に使用している港湾施設なのだ。

(RIMPEACE編集部 星野 潔)


9月12日、本牧ふ頭D突堤に軍用車両とみられるトラックが置かれているのが見えた(22.9.12 星野 撮影)


本牧ふ頭D突堤に、フラットラックコンテナに載せられた砂漠迷彩の米軍車両が複数並んでいる。これらも9月12日頃までには運ばれてきたようだ(22.9.13 星野 撮影)


2022-9-15|HOME|