弾道ミサイル追跡艦、横浜に寄港し翌日には出港


9月29日、横浜ノースドックに入港した弾道ミサイル追跡船ハワード・O・ロレンゼン。補給を受けている(2022.9.29 星野 撮影)

9月29日の朝、弾道ミサイル追跡艦ハワード・O・ロレンゼン(HOWARD O. LORENZEN  T-AGM 25)が横浜港に入港し、横浜ノースドックに接岸した。

ロレンゼンの横浜寄港は、8月27日から9月3日にかけて滞在して以来のことで、今年6回目だ。
9月3日に横浜を出港した後、房総半島沖を東側に進んでいたことは確認されたが、その後、津軽海峡などを通過して日本海に入ったかどうかは確認できなかった。
津軽海峡を通過する際には、AIS(自動船舶識別装置)の信号が出される可能性が高いが、9月3日から29日までの間に、そうした動きを把握することはできなかった。
したがって、この間、日本海などで弾道ミサイル発射の監視任務に就いていたかどうかは、確認できていない。

この弾道ミサイル追跡艦が横浜に寄港したということは、その滞在中と少なくとも寄港の直前直後を含めた期間は、弾道ミサイルの監視任務に就いていなかったということだ。
原子力空母ロナルド・レーガンが9月23日にプサンに入港し、9月26日から29日までこの空母が参加して米韓合同演習が実施されたことなどを契機として、朝鮮半島とその周辺では挑発の応酬が続いている。
ハワード・O・ロレンゼンが横浜に寄港した日及びその直前の9月25日、28日、29日には、朝鮮半島から弾道ミサイルが発射された。
その間、原子力空母のプサン入港、米韓合同軍事演習、米韓日合同軍事演習が続いていたことを考えると、ミサイル発射は十分予想されていたはずだ。にもかかわらず、9月末にはハワード・O・ロレンゼンは弾道ミサイル監視の任務に就いていなかったということだ。
それが何を意味しているのかは不明だが。

今回の横浜寄港は短期間で、9月29日に入港したロレンゼンは、入港直後に補給を受け、翌30日の午前には横浜を出港していった。
出港後、房総半島沖を北東の方向に向かって航行していたことはAIS(船舶自動識別装置)の情報で確認できたが、その後、日本海などに入って弾道ミサイル監視の任務に就いたのかどうかについては、この記事を執筆している時点では確認できていない。

(RIMPEACE編集部 星野 潔)


ハワード・O・ロレンゼンとは直接は関係無いものと思われるが、9月29日には横浜ノースドックにロープ状のもので梱包された暗緑色のコンテナのようなものが並んでいるのが確認された。翌日の夕方にはこれらは消えていた(2022.9.29 星野 撮影)


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