弾道ミサイル追跡艦、米韓合同演習開始前に横浜出港


10月15日、横浜ノースドックに入港した弾道ミサイル追跡船ハワード・O・ロレンゼン(2022.10.15 星野 撮影)

10月15日の朝から30日の午前中にかけて、弾道ミサイル追跡艦ハワード・O・ロレンゼン(HOWARD O. LORENZEN  T-AGM 25)が横浜ノースドックに滞在していた。

今回でロレンゼンの横浜寄港は今年7回目となった。
前回は、9月29日から30日にかけて1日滞在しただけで横浜を出港していった。
9月30日の出港後、房総半島沖を東側に向かっていたことはAIS(自動船舶識別装置)の情報で判明したが、その後、10月15日までの間に日本海に入っていたことを示す情報を見つけることはできなかった。
津軽海峡を通過する際には通例AISの信号を出すはずだが、それが発せられた痕跡を見つけることはできなかったのだ。
したがって、10月15日までの間は、ロレンゼンがミサイル監視任務に就いていたかどうかは不明だ。

しかし、今回は、10月30日の横浜出港後、11月1日の朝には津軽海峡を抜けて日本海に入ったことが確認された。
日本海で弾道ミサイル発射を監視する任務に就いたということだろう。

米軍は韓国軍とともに10月31日から、約240機もの軍用機が参加する大規模な米韓合同軍事演習ビジラント・ストーム(Vigilant Storm)を開始させた。
演習が始まると朝鮮半島でミサイル発射が相次いでいる。挑発の応酬だ。
このビジラント・ストーム演習を始める直前に弾道ミサイル追跡艦を横浜から出港させたということは、演習を実施すればミサイル発射を招くことを米軍は予め想定していたということではないだろうか。ミサイル発射を想定しつつ、それでも大規模軍事演習を実施した、ということではないか。

(RIMPEACE編集部 星野 潔)


10月27日、バージから補給を受けるハワード・O・ロレンゼン(2022.10.27 星野 撮影)


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