英海軍哨戒艦スペイ、横浜の民間工場に


三菱重工横浜製作所本牧工場に停泊するスペイ。「南本牧はま道路」の高架の向こうに見える

三菱本牧工場の一番「外側」に入っている

船体の後ろ側の姿だ

テントが設置され、その周辺に兵士たちがたむろしている

船体の側面にはダズル迷彩が施され、「P234」と書かれている(22.11.28 星野 撮影)

イギリス海軍哨戒艦スペイ(HMS SPEY P234)が11月25日、横浜港内にある民間船舶修繕工場の三菱重工横浜製作所本牧工場の岸壁に接岸した。
この民間船舶修繕工場で整備工事を行うということなのだろうか。

三菱重工横浜製作所本牧工場には、スペイの同型艦、テイマー(HMS TAMAR P233)が10月20日から11月27日まで入っていた。

イギリス海軍の軍艦の、三菱重工横浜製作所本牧工場への相次ぐ接岸は、外国の軍隊による、日本の民間船舶修繕工場の使用ということだろう。
しかし、そもそも外国の軍隊が日本の民間船舶修繕工場を使用することは、法的に許されていることなのだろうか。

「キーンソード23」に参加したことに示されているように、これらのイギリスの軍艦は、単なる「友好・親善」のためにアジア太平洋地域にやって来たわけではない。
スペイが参加したキーンソード演習は、中国に対する事実上の牽制行動であり、いったん「有事」が発生した場合に、南西諸島を含む日本列島を戦場として戦争を行う構想を示したものだ。
そうした行動をとる軍艦の整備工事を横浜港が受け入れるということは、軍事活動の継続を支えるインフラとしての機能を横浜港が持つことを世界に示すことになるのではないか。
それはこの地域と住民が、「攻撃対象」とされる危険性を著しく増加させることになるのではないか。

そもそも軍艦の民間船舶修繕工場への接岸だ。任務航海中に積んでいたはずの弾薬や武器はどうしたのだろうか。弾薬を搭載したまま入港したのだろうか。爆発等の危険は無いのか。
市民の生命と生活を守ることが重要な仕事であり、港湾管理者でもある地元自治体は、それらの点をしっかりと確認したのだろうか。

(RIMPEACE編集部 星野 潔)


10月20日から11月27日まで三菱重工横浜製作所本牧工場にいた、英海軍哨戒艦テイマー。
クレーンの向こう側にいるので見えづらいが、艦橋下部に描かれた赤い紋章が辛うじて確認できる(22.11.24 星野 撮影)


2022-11-29|HOME|