揚陸艇の訓練続く横浜港


1月29日、約2日間の航行訓練から横浜に戻ってきた米陸軍揚陸艇フォート・マクヘンリー(LCU 2020)


フォート・マクヘンリーの船橋上部には米軍兵士の姿が見え、マストには陸軍輸送科の旗が掲げられている


戻ってきたフォート・マクヘンリー(左側)と横浜港内にいたカラボザ(LCU 2009)(右側)



横浜港内を動きまわり、操船訓練を行う揚陸艇カラボザ。カラボザが訓練を行っていたのは、米軍の「施設及び区域」では無い海域だ


カラボザのマストには、星条旗と米陸軍輸送科の旗が掲げられていた(23.1.29 星野 撮影)

1月29日の午前10時40分頃、米陸軍揚陸艇フォート・マクヘンリー(FORT MCHENRY LCU2020)がベイブリッジをくぐり、横浜ノースドックに戻ってきた。

約2日前の1月27日の正午、フォート・マクヘンリーは横浜ノースドックを出港し、東京湾を南下して浦賀水道を抜けていた。
その後、まず相模湾に入り三浦半島、湘南海岸、大磯や小田原沖、伊豆半島、さらには駿河湾へと海岸線をなぞるようにゆっくりと進み、牧之原の沖合付近で反転して、伊豆大島の南側を経由し、今度は房総半島先端を鴨川付近まで、やはり海岸線をゆっくりとなぞって航行した後で、横浜に戻ってきた。航行訓練だろう。日本の沿岸での軍事物資輸送を視野に入れての訓練だろうか。

他方、好天の日曜日の横浜港のど真ん中では、揚陸艇カラボザ(CALABOZA LCU2009)が、操船訓練を続けていた。
多くの人びとが集まる観光スポットでの、休日返上の陸軍揚陸艇の訓練だ。
カラボザが動きまわっていた場所は、横浜ノースドックの周囲30メートルを遥かに超えた、地位協定にもとづいて米軍に提供された「施設及び区域」ではない海域だった。
横浜ノースドックに陸軍揚陸艇部隊を「新編」するということは、米軍が横浜港のど真ん中で訓練を日常的に行い、安保条約すら踏みにじり、思うままに行動する姿を市民に日々見せつけるということでもあるのだろう。

(RIMPEACE編集部 星野 潔)


1月27日の12時頃、航行訓練に出発するフォート・マクヘンリー


船上には米軍兵士の姿が見え、マストには陸軍輸送科の旗が掲げられていた


1月27日、揚陸艇カラボザは給油を受けていた(23.1.27 星野 撮影)


2022-1-30|HOME|