ケーブル敷設艦、横浜NDや佐世保に寄港


3月20日、横浜ノースドックに入港したケーブル敷設艦グローバル・センティネル(23.3.20 星野 撮影)


米海軍MSCのHPによれば、全長は約146メートル、幅約22メートル、排水量1万6118トン(23.3.20 星野 撮影)


入港直後、クレーンで物資を降ろしているのが確認された(23.3.20 読者 撮影)

3月20日の午後、横浜ノースドックにケーブル敷設艦グローバル・センティネル(GLOBAL SENTINEL)が入港した。
今年2月11日から17日にかけての横浜初寄港に次いで2度目の横浜入港だ。

今年1月初めまでは母港とするボルティモアなど米国東海岸にいたグローバル・センティネルは、その後1月半ば近くにパナマ運河を越えて2月11日に横浜にやって来た。

2月17日に横浜を出港した後、グローバル・センティネルは2月24日から25日にかけて佐世保に寄港している。佐世保への寄港は燃料補給が目的だったようだ。

2月25日に佐世保を出港した後、3月20日に横浜に入港するまで、日本列島周辺で活動していたのだろう。

米海軍MSC(Military Sealift Command 軍事海上輸送司令部)HPによれば、現在、米海軍はグローバル・センティネルとゼウス(ZEUS T-ARC 7)の2隻のケーブル敷設艦を運用している。

グローバル・センティネルが日本の港にやって来たのは、おそらく今回が初めての可能性が高いが、もう一隻のケーブル敷設艦のゼウスは、2004年から06年にかけて及び2019年から20年にかけて、佐世保に何度も入港している。

ケーブル敷設艦は、その名の通り確かに海底ケーブルの敷設や保守を任務とする艦だ。

佐世保や沖縄など、日本にある米軍基地や、韓国にある米軍基地、東南アジアにある米国政府施設などを結んで海底ケーブルが設置されているものと考えられる。それらの海底ケーブルの保守・管理のために、ケーブル敷設艦が横浜や佐世保にやって来たのかもしれない。

しかし同時に、米軍はかつて米ソ冷戦が激化していた時代に、琉球弧周辺の海底ケーブルにはSOSUS(Sound Surveillance System)と呼ばれる潜水艦の音響監視システムも合わせて設置したようだ。
この潜水艦監視システムが、現在においては中国の潜水艦の監視に使われていることは十分あり得る。
そして海底に設置されたこの音響監視システムの管理・保守も、ケーブル敷設艦が担っている可能性がある。

つまり、以前のゼウスの活動や、今回のグローバル・センティネルの活動の目的には、琉球弧周辺の音響監視システムの管理・保守も含まれているのかもしれない。

(RIMPEACE編集部 星野 潔)


2月11日、横浜ノースドックに入港したグローバル・センティネル(23.2.11 星野 撮影)


2月に入港した時には、「出船」の姿勢で接岸していた(23.2.11 星野 撮影)


2月24日から25日にかけて、佐世保の赤崎に停泊したグローバル・センティネル(23.2.25 篠崎 撮影)


グローバル・センティネルに搭載されている、水中作業用器具と思われる物体(23.2.25 篠崎 撮影)


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