横浜NDの揚陸作戦資材に動き


横浜ノースドックの中央部に並べられている多数の灰色の箱形の物体が、米陸軍の揚陸作戦用に事前配備されているMCS(浮き桟橋)やWT(組み立て式タグボート)の資材。3月22日の写真。
この翌日の23日から、資材の移動作業が開始された。4月初めの時点までには、赤丸と青丸の部分の資材に動きが見られた(23.3.22 星野 撮影)


3月22日の時点での、ノースドックの最もベイブリッジ寄りの建物。ウラ側にはまだMCSやWTの資材は並べられていない(23.3.22 星野 撮影)


3月22日以前から、一部のWTの組み立ても行われていた(23.3.22 星野 撮影)

米陸軍の基地である横浜ノースドックには、多数のラニーミード級LCU(Landing Craft Utility:米陸軍揚陸艇)の他、2種類のLCM(Landing Craft Mechanized:上陸用舟艇)、LT(Large Tug:軍用大型タグボート)、ST(Small Tug:軍用小型タグボート)、WT(Warping Tug:組み立て式タグボート)、MCS(Modular Causeway System:浮き桟橋セット)など、米陸軍が揚陸作戦に使用する船艇や資材が大量に「保管」されている。

これは、21世紀に入ってから、横浜ノースドックが、米陸軍の兵器や資材をあらかじめ事前に世界各地に配置しておくAPS(Army Prepositioned Stock:陸軍事前配備貯蔵)の拠点の一つとなり、2022年8月から04年9月にかけて上記の舟艇類が搬入されたためである。

実はその後、2020年10月にAPSの拠点の1つであるクウェートから貨物船でMCSやWTが大量に搬入されたり、同じ2020年11月にも2隻のLCUがクウェートから重量物運搬船で横須賀沖に運ばれてきたり、2022年にも、米本土からタグボートに曳かれてLCUが運ばれてきたりする一方、係留されていたクレーン・バージ(クレーン船)が搬出されていったり、数隻のLCUやLCM、LTなどが姿を消したりするなど、近年、横浜ノースドックのAPS資材の「保管」状況に大きな変動が生じている。

そうした中、今年3月23日頃から横浜ノースドックの米陸軍揚陸作戦資材に新たな動きが起きている。
横浜ノースドックの中央部に並べられていたMCSの素材やWT用のコンテナの一部が、埠頭の先端部に最も近い建物の、「みなとみらい地区」から見てウラ側に、コンテナハンドラーによって運ばれているのだ。

横浜ノースドックに置かれているMCSやWTの一部をどこかへ搬出するつもりなのか、それとも、MCSやWTの「並べ方」を変えて新たな「保管」スペースをつくるための一時的な移動なのかはまだ不明だ。
また、今年1月11日の「日米2プラス2」で合意された、横浜ノースドックへの揚陸艇部隊の配置とどのように関係しているのかも、不明だ。
しかし、要注意の動きであることは確かだ。

(RIMPEACE編集部 星野 潔)


3月23日、建物の向こう側に灰色の箱形の物体が並び始めた(23.3.23 星野 撮影)


3月24日、建物の向こう側の灰色の箱形の物体が増えている(23.3.24 星野 撮影)


同じ3月24日。赤丸の部分に並んでいた灰色の箱が移動している(23.3.24 星野 撮影)


3月27日も作業が行われた。灰色の箱形の物体を移動させるコンテナハンドラーの姿が見える(23.3.27 星野 撮影)


3月27日の作業の様子(23.3.27 星野 撮影)


3月30日の作業の様子。その1(23.3.30 星野 撮影)


3月30日の作業の様子。その2(23.3.30 星野 撮影)


3月30日の作業の様子。その3。コンテナハンドラーの「吊り荷」の下に人が入っているように見えるが、心配だ(23.3.30 星野 撮影)


3月30日の作業の様子。その4(23.3.30 星野 撮影)


3月30日の作業の様子。その5。ここでもコンテナハンドラーの「吊り荷」の下に人が入っているように見える。とても心配だ(23.3.30 星野 撮影)


3月30日の作業の様子。その6。コンテナハンドラーで資材を埠頭の先端近くの方へ運んでいる(23.3.30 星野 撮影)


3月30日の作業の様子。その7(23.3.30 星野 撮影)


3月30日の作業の様子。その8(23.3.30 星野 撮影)


3月31日にも、コンテナハンドラーが動いているのが確認された(23.3.31 星野 撮影)


4月2日の時点での、横浜NDのMCSやWTの状況。その1(23.4.2 星野 撮影)


4月2日の時点での、横浜NDのMCSやWTの状況。その2。今後も移動作業は続く可能性がある(23.4.2 星野 撮影)


3月30日、MCSやWTの移動作業と直接は関係無いと思われるが、地上での作業中に横田基地所属の空軍UH-1ヘリが2機編隊で横浜ND上空を低空飛行する一幕があった(23.3.30 星野 撮影)


シリアルナンバー69-6614の機体だ(23.3.30 星野 撮影)


シリアルナンバー69-6646の機体だ(22.3.30 星野 撮影)


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