那覇と岩国にオスプレイ陸揚げの自動車運搬船、横浜港に


3月24日、東京湾を北上して横浜港に向かう自動車運搬船グリーン・コーブ

3月18日に那覇軍港に入港してMV-22オスプレイを1機陸揚げし、3月20日には岩国基地に接岸して陸上自衛隊V-22オスプレイを3機陸揚げした米国船籍の民間自動車運搬船グリーン・コーブ(GREEN COVE)が、3月22日から23日かけて神戸に寄港した後、3月24日には東京湾に現れ、横浜港の大黒埠頭に接岸した。

グリーン・コーブは、船会社Central Gulf Lines, Inc.が運航している自動車運搬船だ。
同時に、同社が運航する自動車運搬船のグリーン・レイク(GREEN LAKE)、グリーン・リッジ(GREEN RIDGE)、グリーン・ベイ(GREEN BAY)などとともに、米国運輸省が所管するMSP(Maritime Security Program)に登録する契約が結ばれている貨物船だ。

MSPは、契約を結んだ米国船籍の民間船に、紛争など「国家的緊急事態」において米国国防総省による海上輸送に従事させるものであり、登録している民間船舶が使用する物流施設やグローバルな物流ネットワークを国防総省が利用できるようにするものでもある。
同時にMSP登録船は、「有事」のみならず「平時」においても米軍の短期的な輸送業務にチャーターされることが多い。
つまり、MSPに登録して行動する貨物船は、実質的に、「民間船」として就航しつつ軍事輸送も担う船なのだ。

今回、グリーン・コーブはオスプレイを米国から日本まで輸送したのだが、グリーン・コーヴの僚船であるグリーン・リッジやグリーン・レイクも、米国からオスプレイを日本に運ぶ際に使われてきた。
グリーン・レイクやグリーン・リッジとおそらく同様に、今回、グリーン・コーブはオスプレイをサンディエゴで積み込んできたようだ。

グリーン・コーブが那覇を目的地としてサンディエゴを出港したのは、現地時間の3月2日のことだった。
にもかかわらず、グリーン・コーブによるMV22オスプレイの那覇軍港への陸揚げについて、沖縄県に事前の通知はなされなかった。
しかも、沖縄県が那覇軍港からの航空機の離着陸は行わないように求めているにもかかわらず、米軍はそれを無視して、陸揚げしたMV22を那覇軍港から飛行させた。
このような振る舞いのどこが、「良き隣人」の態度だと言うのだろうか。

「普通」の民間船のような顔をして横浜の大黒埠頭に3月24日から25日の夕方まで滞在したグリーン・コーブは、その後、3月27日から28日にかけて、常陸那珂港に寄港している。

(RIMPEACE編集部 星野 潔)(23.3.24 星野 撮影)


タグボートに押されながら、大黒埠頭に接岸するために向きを変えるグリーン・コーブ


2023-3-31|HOME|