横浜NDの揚陸作戦資材の動き (3)

米本土から2隻のWT、搬入される


4月24日、横浜ノースドックに入港した貨物船オーシャン・グローリー。クレーンで2隻のWTを降ろしている


海上に降ろされた2隻のWT


既にどちらの船にも、操船する兵士が乗り込んでいる


2隻のWTは、まずは埠頭の先端へと向かった


埠頭の先端の「すべり」のところで待っていた複数の兵士を乗せて、WTはさらに移動を開始した(23.4.24 星野 撮影)


WTの搬入作業を終えて、本牧埠頭A突堤に移動するオーシャン・グローリー(23.4.24 読者 撮影)


4月25日、本牧埠頭A突堤に停泊するオーシャン・グローリー(23.4.25 星野 撮影)


4月26日の夕方までに横浜ノースドックの埠頭上に上げられたWT。オーシャン・グローリーによるWT搬入前には、組み立て済みのWTは5隻だったが搬入後は7隻に増加した(23.4.26 星野 撮影)

4月24日の朝、米国船籍の民間貨物船、オーシャン・グローリー(OCEAN GLORY)が横浜ノースドックに入港した。

オーシャン・グローリーは、現地時間の4月8日に米国のヒューニーメを出港し、横浜にやって来た。
この貨物船は、横浜ノースドックに接岸すると早々に、積んでいた2隻のWT(WARPING TUG)を海上に降ろした。
荷下ろし作業を終えると、同じ日の午後、14時台にはノースドックを離岸して、本牧埠頭A突堤に移動した。WTを降ろしたところで今回の米軍チャーター業務は終わり、ここからは民間貨物船としての業務になった、ということだろう。

4月24日にオーシャン・グローリーから海上に降ろされたWTには兵士が乗り込み、かれらが操船して移動する様子が確認された。

4月25日の午後あるいは26日には、この2隻がオーシャン・グローリーで搬入される前から既に横浜ノースドックの海上に係留されていた5隻のWTと合わせて、計7隻のWTが埠頭上に陸揚げされた。
ということは、4月24日に米国から持ち込まれたWTも、横浜ノースドックの揚陸作戦資材に加えられたということだろう。

しかし、4月14日に防衛省が横浜市に送付した文書には、(横浜ノースドックへの揚陸艇部隊の)「新編に伴う船舶の増加なし(横浜ノース・ドックに配置済の船舶を使用)」と書かれていたはずだ。
その舌の根が乾かぬうちの、新たな船舶の搬入だ。
この文書を横浜市に送付した日付の4月14日の時点で、横浜ノースドックに搬入する2隻のWTを積んだ貨物船オーシャン・グローリーは、既に米本土を出発して横浜港に向かっていた。
つまり防衛省、そして米軍は、虚偽の説明を行ったということではないか。

初めから守るつもりの無いデタラメな説明、約束を行ったのではないか。市民を馬鹿にした行為ではないか。
それとも、WTは船舶にあらずという、お得意の詭弁を弄するつもりか。
横浜市は防衛省と米軍に抗議すべきであり、少なくとも米軍が今回新たに搬入した2隻のWTは、直ちに米国に持って帰らせるべきではないか。

(RIMPEACE編集部 星野 潔)


4月14日の日付の入った防衛省の文書。「新編に伴う船舶の増加なし(横浜ノース・ドックに配置済の船舶を使用)」と書かれている(横浜市基地対策課HPより引用)


2023-5-251|HOME|