横浜・本牧ふ頭に米空軍消防車現れる




本牧ふ頭D突堤に置かれていた米空軍消防車。赤丸の中にある。側面には「UNITED STATES AIR FORCE」と書かれている(23.7.8 星野 撮影)


フラットラックコンテナに入れられてトレーラーの上に載せられているのがわかる(23.7.8 星野 撮影)


米軍画像サイトDVIDSに掲載されている、横田基地所属の米空軍消防車(左)と航空自衛隊の消防車(右)。
今回、本牧ふ頭に置かれていたのとよく似た形の消防車だ。2022年10月26日に行われた合同訓練の時の写真。
DVIDS記事「Yokota firefighters conduct bilateral training with JASDF [Image 22 of 22]」より引用
https://www.dvidshub.net/image/7491193/yokota-firefighters-conduct-bilateral-training-with-jasdf

7月上旬、横浜港の本牧ふ頭D突堤に、米空軍の消防車が置かれていた。

側面に「UNITED STATES AIR FORCE」の文字が大きく書かれた赤い車体の消防車が、フラットラックコンテナに入れられて、トレーラーの上に載せられて本牧ふ頭D突堤に置かれているのが視認されたのは、7月3日だ。
実際にはそれよりも前から本牧ふ頭に置かれていた可能性もある。
そして、その後少なくとも7月8日まではD突堤に置かれていたのが確認されている。

本牧ふ頭はコンテナふ頭だが、この米空軍消防車が、コンテナ船に船積みするために陸路、本牧ふ頭に運ばれてきたのか、それとも逆に、コンテナ船で運ばれてきて、埠頭から陸路搬出する準備をしていたのかは不明だ。

空軍といえば、横浜の近くでは横田基地が空軍の基地だ。
実際、米軍の画像サイトDVIDSには、今回横浜港の本牧ふ頭に置かれていたものと似た形の、横田基地所属の消防車の写真も掲載されている。
ただし、今回、本牧ふ頭に置かれていた消防車が、横田基地から運ばれてきたものなのか、それとも、これから横田基地に運ぼうとしていたものなのか、どちらなのかは、既に述べたように不明だ。
とはいえ、今回本牧ふ頭に置かれていた車両を、「横田基地の消防車」だったか、あるいはこれからそうなるものかのどちらかだとみても、おそらく間違いではないだろう。

横浜港には横浜ノースドックという米軍基地がありながら、米軍は、基地として提供されてはいない本牧ふ頭のD突堤を、以前からコンテナ輸送の拠点として使用し続けており、このD突堤に米軍の車両やコンテナなどが並ぶことは、実は決して珍しいことではない。
しかし、米軍基地でもない本牧ふ頭を、米軍が軍事物資の輸送拠点として使用していることは、市民には何も知らされていないし、どのような物資がここに運び込まれているのかも知らされてはいない。
おそらく米軍は今回も、横浜市にも市民にも何も伝えずに、空軍の消防車を本牧ふ頭に搬入したのだろう。

しかし、「横田基地の消防車」から連想されるのは、有害フッ素化合物PFASを含む泡消火剤の大量漏出が、今、横田基地とその周辺で深刻な問題になっていることだ。
もしかしたら、有害フッ素化合物汚染にかかわる資材、例えば泡消火剤に関連するような資材も、米軍は勝手に横田基地から本牧ふ頭などに持ち出したりしてはいないだろうか。
その際、何らかの事故が起きたら一体どうなるのだろうか。

米軍が本牧ふ頭に搬入する車両や資材の安全性について、港湾管理者である横浜市は厳格に監視、監督する必要があるのではないか。

(RIMPEACE編集部 星野 潔)


7月3日、本牧ふ頭D突堤に米空軍消防車が置かれているのが視認された(赤丸の中)(23.7.3 星野 撮影)


2023-8-8|HOME|