貨物船、横浜NDに防空砲兵旅団の車両や物資を陸揚げ


8月17日、横浜ノースドックに入港した貨物船SLNCヨーク(23.8.17 星野 撮影)


SLNCヨークは、横浜入港直後から、船体に取り付けられている大型クレーンを使って陸揚げ作業を開始した(23.8.17 木元茂夫 撮影)


陸揚げされる軍用トラック(23.8.17 読者 撮影)


トラックの後部に「38TH ADA BDE」などの表示が見える。第38防空砲兵旅団の車両であることを示している(23.8.17 読者 撮影)



陸揚げされるハンヴィー(23.8.17 読者 撮影)


陸揚げされるコンテナや牽引車両に載せられた装置(23.8.17 読者 撮影)


陸揚げされたトラックやハンヴィーなどが並べられたのは、埠頭の陸側の方だ(23.8.17 星野 撮影)


8月19日の時点でも、SLNCヨークから降ろされた車両は、横浜ノースドック上に並べられていた(23.8.19 読者 撮影)

8月17日の朝、米国船籍の民間貨物船、SLNCヨーク(SLNC YORK T-AK)が横浜ノースドックに入港した。

SLNCヨークは、今年5月にも横浜ノースドックにやって来て、3機のCV22オスプレイを陸揚げし、横田基地から横浜ノースドックの埠頭上に飛来した3機のCV22オスプレイを積み込んで出て行った貨物船だ。

それから3か月も経たないうちにまたもや横浜ノースドックに現れたのだが、今回、SLNCヨークは、米国西海岸ワシントン州のエバレット港を現地時間の7月10日に出港して、西太平洋ミクロネシアのパラオに現地時間の7月28日から8月2日にかけて寄港している。
その後、那覇軍港に8月10日の朝から11日の朝まで滞在し、韓国ブサンのブサン新港に8月13日の朝から14日の朝まで入港した後、横浜にやって来た。

エバレットからパラオまで何を運んだのかは不明だが、パラオでは7月に米インド太平洋軍が行ったPAC3ミサイルの発射訓練に使ったミサイル発射装置をはじめとする各種の装備や車両などを積み込んだものとみられる。

パラオを出港した後立ち寄った那覇軍港では、パラオでの実弾射撃演習に参加した、嘉手納基地配備の第38防空砲兵旅団第1大隊のPAC3ミサイル発射装置をはじめとする装備を降ろしたのだろう。
またブサンでは、同じ演習に参加した在韓米軍の第35防空砲兵旅団の車両などを陸揚げしたのだろう。

そして8月17日に寄港した横浜ノースドックでは、トラックやハンヴィー、コンテナ、さらには牽引車両を、船体に取り付けられている大型クレーンを使って陸揚げした。

陸揚げされたトラックの後部には、「38TH ADA BDE」などの文字が書かれているのが確認できた。
陸揚げされたのは、相模総合補給廠に司令部がある第38防空砲兵旅団の車両やコンテナなどの装備だということだ。
これは第38防空砲兵旅団司令部も、米インド太平洋軍の演習「ノーザン・エッジ23-2」(Northern Edge 23-2)の一環としてパラオで行われたPAC3実弾射撃演習に参加したことを示している。

このミサイル射撃演習は、西太平洋の島国パラオで単独で行われたのではなく、通信網によって各地を結び、各種の領域で同時並行して進むまさに「マルチドメイン」な戦争の演習の一環として行われたようだ。

8月17日に横浜ノースドックに入港して第38防空砲兵旅団司令部の車両などを陸揚げしたSLNCヨークは、その日のうちに横浜を出港した。
次の目的地はフィリピンのスービックのようだ。
スービックへの航海も、米軍の物資輸送のためのものだろう。

(RIMPEACE編集部 星野 潔)



SLNCヨークの甲板上には、暗緑色で迷彩が施された物体が多数並べられていた。横浜ノースドックでは陸揚げされなかったようだ。ということは、スービックに運ぶのか(23.8.17 星野 撮影)


2023-8-22|HOME|