函館に2隻の海洋調査船が同時に寄港


9月30日、横浜ノースドックに入港した海洋調査船オーシャン・ビクトリー(23.9.30 星野 撮影)


オーシャン・ビクトリーの横浜寄港は久しぶりだった(23.10.1 星野 撮影)


10月2日、補給を受けるオーシャン・ビクトリー(23.10.2 星野 撮影)


船の構造物にはOCEANEERING社の船であることを示すロゴが入っている。船体には多数のレドームが設置されていて、後部には観測機器等を投入する装置が設置されている(23.10.3 星野 撮影)


10月6日、出港前日のオーシャン・ビクトリー(23.10.6 星野 撮影)




10月9日、雨の中横浜に短時間戻ってきた後、正午頃に再び出港するオーシャン・ビクトリー(23.10.9 星野 撮影)


8月25日、横浜ノースドックに入港したオーシャン・インターベンション(23.8.25 星野 撮影)


船体後部に大きなクレーンが設置されているのが、オーシャン・インターベンションの特徴だ(23.8.31 星野 撮影)


観測機器などが入っているとみられるコンテナも船体後部に並べられている(23.9.4 星野 撮影)

AIS(船舶自動識別装置)の情報によれば、10月16日、米海軍が運用する2隻の海洋調査船が函館港に相次いで寄港し、中央ふ頭に並んで停泊した。
オーシャン・インターベンション(OCEAN INTERVENTION T-AGS)とオーシャン・ビクトリー(OCEAN VICTORY T-AGS)だ。
どちらの船もOceaneering International社が登録所有者の、米国船籍の民間船ということになっているようだが、横浜ノースドックや佐世保基地に入港しており、実際には米海軍の海洋調査船として活動しているようだ。

まずオーシャン・インターベンションは、ここのところ毎年横浜にやって来る。横浜から函館や小樽に行き、そこを拠点に、周辺の日本海の調査活動を行っているようだ。
今年は1月から4月20日までシンガポールに滞在していて、5月7日に横浜ノースドックにやって来た。5月15日に横浜を出港し、横須賀の13号バースに短時間立ち寄った後、東京湾を出て行った。
その後、6月20日に横浜ノースドックに入港し、7月21日には再び横浜を出て7月25日には日本海に入った。
最近では、8月25日から9月13日まで横浜ノースドックに寄港した後、佐世保基地に9月18日から23日まで滞在していた。その後の詳細な足取りは不明だが、AISによれば10月8日の朝に、津軽海峡を東から西に抜けて日本海に入っている。

他方、オーシャン・ビクトリーが日本周辺にやって来たのは、久しぶりとみられる。
1972年に建造されたこの船は、建造当初はリサーチ・タイド(RESEARCH TIDE)という名前で、1999年にデニー・タイド(DENNY TIDE)に名前を変え、さらに2013年に現在のオーシャン・ビクトリーに名前を変えた。
デニー・タイド時代には、横浜ノースドックや横須賀に複数回入港した記録がある。オーシャン・ビクトリーとなってからは、2018年4月に横浜に寄港し、その後小樽に現れて、同年6月に再び横浜に入港している。

今回、オーシャン・ビクトリーは、8月末から現地時間の9月2日にかけて、米国オレゴン州のクーズベイ(Coos Bay)に滞在していて、9月5日にはワシントン州のインディアンアイランドに数時間寄港したようだ。
その後、9月30日に横浜ノースドックに入港し、10月7日に出港した。ところが10月9日の午前9時台に横浜ノースドックに戻ってきたのだが、3時間もしないうちに、同日の正午頃には再び横浜を出港している。

ところで、この2隻は船体の塗装や基本的な形などはよく似ているが、1998年に建造されたオーシャン・インターベンションが全長約74メートルであるのに対し、オーシャン・ビクトリーは全長約62メートルで一回り小さい。

また、オーシャン・インターベンションの後部甲板には、深海作業もできそうな大きなクレーンが設置されているが、オーシャン・ビクトリーには大型クレーンは無い代わりに、観測装置の海中投入用と見られる装置が設置されている。
つまり、この2隻には違いもあるようだ。
その2隻が、今回同時に函館港に現れたということなのだが、米海軍の調査活動を担うこれらの船が、函館周辺で一体何を行っているのだろうか。

(RIMPEACE編集部 星野 潔)


今年6月20日に横浜ノースドックに入港したオーシャン・インターベンション(23.6.20 星野 撮影)


入港後、6月24日に、赤い丸を付けた位置にレドームが取り付けられた(23.6.24 星野 撮影)


2023-10-20|HOME|