横浜NDに再びやってきた即応予備船隊の輸送艦(2)


10月6日の昼前、東京湾を航行する車両貨物輸送艦ケープ・ヘンリー(23.10.6 星野 撮影)


横浜に入港するケープ・ヘンリー(23.10.6 木元茂夫 撮影)


入港するケープ・ヘンリーの甲板上には、他の演習で使用したと見られるコンテナが積まれていた(23.10.6 木元茂夫 撮影)


接岸するケープ・ヘンリー。その前に並ぶ3隻の音響測定艦は、手前からエフェクティブ、ビクトリアス、ロイヤル。
この直前にビクトリアスが移動して、ケープ・ヘンリーの停泊位置を確保した(23.10.6 読者 撮影)




入港直後の甲板上(23.10.6 読者 撮影)


10月6日夕方の積み込み作業(23.10.6 読者 撮影)



10月6日の日没後の様子(23.10.6 星野 撮影)

米即応予備船隊の車両貨物輸送艦ケープ・ヘンリー(CAPE HENRY T-AKR 5067)は、予定よりも遅れて10月6日の午後に横浜ノースドックに接岸した。

入港後、ふ頭上に並べられていた軍用車両やコンテナなどを積み込み、翌10月7日の夜に再び横浜を出港した。

ケープ・ヘンリーは、前回、9月5日に横浜を出港した後、9月8日に短時間、沖縄の天願桟橋に寄港している。
その後、インドネシアのケタパン(Ketapang)に9月19日から21日にかけて滞在した。ケタパン出港後、呉の広弾薬庫沖に現れ、10月4日まで広にいた後、横浜にやって来た。

ケタパンでは、米軍とインドネシア軍、シンガポール軍やオーストラリア軍、イギリス軍、そして日本の陸上自衛隊も加わって8月終わりから9月半ばにかけて実施された大規模軍事演習、「スーパー・ガルーダ・シールド23」(Super Garuda Shield 23)で使用した兵器、車両や物資を回収したのだろう。
ケープ・ヘンリーは、この「スーパー・ガルーダ・シールド」が始まる前の8月後半にもケタパンに寄港している。

この間、ケープ・ヘンリーは、連鎖的そして同時多発的に行われる軍事演習を「掛け持ち」して、装備の輸送を担ったということになる。
オセアニアから東南アジア、東アジアで連鎖的に大規模軍事演習を実施し続けて、軍や装備を即応状態でこの地域に展開させ続け、ライバル国への威嚇を行うことが、米陸軍の「オペレーション・パスウェイズ」(Operation Pathways)の狙いでもあるのだろう。米陸軍と陸自による「オリエントシールド」もその一環として実施されている。

そして、ケープ・ヘンリーの繰り返しの寄港が示していることは、横浜が、RSOI(Reception:受け入れ、Staging:駐留作戦準備、Onward movement:前方展開、Integration:戦力統合)の拠点として、米軍の「インド太平洋地域」における「武力による威嚇」を支えているということだ。

(RIMPEACE編集部 星野 潔)


積み込み作業を終えたケープ・ヘンリー(23.10.7 読者 撮影)



甲板上をよく見ると、ストライカー装甲車も並んでいた(23.10.7 星野 撮影)


10月7日の日没直前。ケープ・ヘンリーは、暗くなってから出港した(23.10.7 星野 撮影)


2023-10-18|HOME|