海洋調査船の拠点として使われる横浜ノースドック


12月29日、横浜ノースドックに入港した海洋調査船マリー・シアーズ(23.12.29 星野 撮影)


2023年5月以来、約7か月ぶりの横浜入港だ(23.12.29 星野 撮影)


12月29日の、マリー・シアーズの後部甲板(23.12.29 星野 撮影)


2023年5月に横浜に滞在した時の、出港前日、5月23日の後部甲板。5月には積んでいなかったものを積んで12月29日に入港したことが分かる(23.5.23 星野 撮影)


2023年5月23日のマリー・シアーズ(23.5.23 星野 撮影)

2023年12月29日、横浜ノースドックに米海軍パスファインダー級海洋調査船マリー・シアーズ(MARY SEARS T-AGS 65)が入港した。
マリー・シアーズの横浜寄港は、2023年5月11日から24日にかけて滞在して以来のことだ。

マリー・シアーズは、2023年5月24日に横浜を出港した後、アラスカのコディアックに向かった。
コディアックを6月21日に出港した後、マリー・シアーズはワシントン州エベレットの海軍基地に6月26日から7月3日にかけて滞在している。
その後、7月31日から8月4日にかけてはワシントン州のポートエンジェルスに現れたようだ。
ポートエンジェルス出港後、8月30日から10月12日の間には、カリフォルニア州の軍港ヒューニーメにいたと見られる。
さらに、10月20日から27日までハワイのパールハーバーに寄港した後、11月13日には韓国のプサンに入港した。
マリー・シアーズは12月26日にプサンを出港して横浜にやって来たのだが、11月13日から12月26日までの間、何をやっていたのかは今のところ不明だ。

横浜ノースドックにやって来るパスファインダー級海洋調査船は、マリー・シアーズだけではない。

最近では、ボーディッチ(BOWDITCH T-AGS 62)が、2023年8月17日から19日にかけて、そして8月24日から9月1日にかけて、さらに11月7日から23日にかけての3回、横浜ノースドックに寄港している。
ボーディッチは11月23日に横浜を出港した後、横須賀の吾妻島に一晩立ち寄っている。そして、11月24日に横須賀を出た後、12月の半ばにはフィリピンのスービックに立ち寄った。

ところで、8月にボーディッチが寄港した際には、8月19日に横浜を出港した後、8月24日の朝に再び横浜に戻ってくるまでの間、房総半島の九十九里浜沖の海域にとどまり、この海域の狭い区間で何度も行ったり来たりを繰り返していた。
非常に交通量の多い九十九里浜沖でこの米海軍海洋調査船は、おそらく潜水艦に関連する何らかの訓練あるいはテストを行っていたのではないか。

潜水艦の作戦行動に必要な、海底の地形や潮流、温度分布などの調査を行っていると言われる米海軍パスファインダー級海洋調査船だが、活動の実態は明らかにされていない。
上で述べた内容以外にも、搭載されているクレーンも使って、海上で潜水艦作戦に関する何らかの活動を行っている可能性もある。

横浜ノースドックはパスファインダー級海洋調査船がしばしば寄港する拠点となっており、観測機器とみられるコンテナも普段から保管されている。

米海軍が保有する音響測定艦すべてが横浜ノースドックを実質的な活動拠点としていることも併せて考えると、横浜ノースドックは潜水艦作戦に関する情報収集・調査分析の重要な拠点とされている、ということは言えそうだ。

(RIMPEACE編集部 星野 潔)


8月17日、横浜ノースドックに入港したボーディッチ(23.8.17 星野 撮影)


8月24日、房総半島沖から戻ってきたボーディッチ。入港直後から後部甲板で、搭載する観測機器に関する何らかの作業が始まった(23.8.24 星野 撮影)


8月25日の後部甲板(23.8.25 星野 撮影)


8月26日の後部甲板(23.8.26 星野 撮影)


8月27日の後部甲板(23.8.27 星野 撮影)


8月28日のボーディッチ。後部甲板の作業は終わったようだ(23.8.28 星野 撮影)


2023年11月7日、横浜ノースドックに入港するボーディッチ(23.11.7 読者 撮影)


11月7日、入港当日のボーディッチ(23.11.7 星野 撮影)


11月の横浜滞在期間中も、ボーディッチは後部甲板で何らかの作業を行っていたようだ。
なお、写真の上部には、米軍基地横浜ノースドックの中で連日訓練を行っている神奈川県警交通機動隊の白バイ隊や、横浜市消防局の車両が見える(23.11.14 星野 撮影)


11月23日、出港直前のボーディッチ(23.11.23 星野 撮影)


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