貨物船SLNCヨークの横浜入港と海兵隊の演習


2023年11月25日、横浜ノースドックに入港した米国船籍の貨物船SLNCヨーク(23.11.25 星野 撮影)


船倉から海兵隊の軽量バギー、UTVをクレーンで吊り上げて陸揚げしようとしている(23.11.25 星野 撮影)


ふ頭上には、荷台に物資を載せたトラックなど、既に陸揚げされた軍用車両が並ぶ(23.11.25 星野 撮影)


よく見ると、SLNCヨークの船体の向こうに、陸揚げされたものと見られる小型コンテナが並べられている(23.11.25 星野 撮影)

2023年11月25日の朝、横浜ノースドックに米国船籍の貨物船SLNCヨーク(SLNC YORK)が入港した。
SLNCヨークは横浜ノースドック入港後、軍用車両やコンテナなどを陸揚げした。

この貨物船は、横浜寄港の前には11月21日の夕方から22日の夕方にかけて那覇軍港に寄港していたので、横浜に搬入したこれらの軍用車両やコンテナなどは那覇軍港から運んできたものと考えられる。

SLNCヨークは11月27日に横浜を出港して韓国のプサンに向かったが、陸揚げした車両などは28日までに横浜ノースドックから姿を消していた。
おそらくキャンプ富士や富士山麓の演習場に運ばれたのだろう。

富士山麓では、11月23日から12月2日にかけて北富士演習場で「沖縄県道104号線越え155ミリ榴弾砲実弾射撃訓練の分散・実施」(ARTP 23.3)が行われていたことは既にこのHPで報告した。
しかし、11月25日にSLNCヨークが横浜に運んできた軍用車両やコンテナなどがARTP 23.3のためのものだったと考えるには、搬入があまりにも遅すぎる。

実は、11月中旬から12月中旬にかけて富士山麓で、海兵隊は別の名称の大規模演習も行っていた。
MAGTF-SIFEX 24(Marine Air-Ground Task Force Stand-In Force Exercise 24: 海兵空地任務部隊スタンド・イン・フォース演習24)がそれだ。
SLNCヨークが11月25日に横浜ノースドックに陸揚げしたのは、このMAGTF-SIFEX 24のための車両や資材だったのではないか。

11月末にMV-22オスプレイなどが厚木基地にやって来て、屋久島沖でのCV-22オスプレイの墜落直後にも平然と飛行を繰り返していたのも、この演習のためだった。

米海兵隊は現在、南西諸島をはじめ日本列島などの、米国から遠く離れた「第1列島線」を戦場にして中国と戦争をする構想を掲げているが、まさにその戦争の「訓練」であったMAGTF-SIFEX 24の概要については、別の記事で紹介することにしよう。

(RIMPEACE編集部 星野 潔)


11月26日の時点では、まだ陸揚げされた軍用車両は横浜ノースドックに並んでいた(23.11.26 星野 撮影)


11月27日のSLNCヨーク出港後。車両は少なくなったがまだ一部は残されていた(23.11.27 星野 撮影)


11月28日の横浜ノースドック。この日までに車両も姿を消した(23.8.25 星野 撮影)


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