横浜ノースドックの揚陸艇部隊、運用開始へ



在日米陸軍が1月17日付けで発表した「メディア・アドバイサリー」(U.S.Army Japan HPより引用)

既に1月18日付の新聞各紙が報じているが、1月17日、防衛省から横浜市や神奈川県に、横浜ノースドックに配置された揚陸艇部隊が2月8日から運用を開始するという連絡があった。

同日、在日米陸軍も「メディアアドバイサリー」(media advisory)なるものを発表し、この部隊の名称が「5th Transportation Company (Composite Watercraft Company) 」(第5輸送中隊(複合揚陸艇中隊))であること、2月8日午前10時30分から式典を行うことなどを明らかにした。

「第5輸送中隊」は、1917年から1997年まで存続した部隊の名称の復活なのだという。
また、防衛省の発表によれば、この部隊は在日米陸軍第10支援群の下に置かれるとのことだ。
約280名と発表されていた要員についても、今年中に配置していくと防衛省からの連絡文書には書かれているが、新聞報道にはより細かな内容が掲載されているものもあった。

この部隊の配置は、米軍の対中国戦争構想であるEABO(機動展開前進基地作戦)における、「列島線」に設置されるEAB(遠征前方基地)への輸送手段を確保するためのものだ。
南西諸島をはじめとする日本列島やフィリピンなどを戦場にして、米軍の主張する米国の「国益」のための戦争をするための部隊の配置だ。
その戦争によって、そこに暮らす人びとの生命や暮らしが根底から破壊されることは言うまでもない。

そもそも2002年8月から2004年9月にかけて揚陸作戦セットを横浜ノースドックに運び込んだ時、米軍や日本政府は、「無人の舟艇の保管であって、運航のための 部隊の配置はなく、運用はされない」、「瑞穂ふ頭の機能を高めるものではない」、「@艦船は燃料を抜いて保管するA運航はしない」と説明していた。
約束を守れないのであれば、横浜ノースドックに備蓄されている揚陸艇などの揚陸作戦セットはすべて撤収するべきだ。

(RIMPEACE編集部 星野 潔)


横浜ノースドックに停泊しているラニーミード級揚陸艇カラボザ(LCU 2009)の艦上に迷彩服姿の兵士を目撃することが、最近多くなった。
この写真は1月10日、10数人の兵士が見える(24.1.10 星野 撮影)


1月16日のカラボザ。操舵室の横や甲板上に兵士の姿が見える(24.1.16 星野 撮影)


1月17日のカラボザ。甲板上に兵士がいる(24.1.17 星野 撮影)


夜になっても揚陸艇カラボザの操舵室には明かりがついている(24.1.18 星野 撮影)


2024-1-19|HOME|