2月8日の横浜ND揚陸艇部隊運用開始式典を見る(2)


2月8日、揚陸艇部隊運用開始の式典が行われた横浜ノースドック(24.2.8 星野 撮影)


ゲートの内側には、軍用犬を連れたMPも待機していた(24.2.8 星野 撮影)


10時10分過ぎ、空軍UH1-Nヘリコプターが飛来した(24.2.8 星野 撮影)


ノースドック内にある、芝生のグラウンド付近に着陸した(24.2.8 星野 撮影)


人を降ろすくらいの時間の後、すぐに離陸して飛び去った(24.2.8 星野 撮影)


空軍ヘリが飛び去った直後、今度は陸軍ブラックホークが飛来した(24.2.8 星野 撮影)


ブラックホークも、グラウンド付近に着陸した(24.2.8 星野 撮影)


12時少し過ぎ、再び空軍UH-1Nヘリが飛来した(24.2.8 星野 撮影)


芝生のグラウンド付近に再び着陸した(24.2.8 星野 撮影)


機体の向きが変わったようだ(24.2.8 星野 撮影)


再び浮上した空軍ヘリ。目の前は市民の働く業務地域だ(24.2.8 星野 撮影)


航空法に基づく最低飛行高度よりも低空で市街地上空を飛ぶ空軍ヘリ(24.2.8 星野 撮影)

式典には外部からの来賓が付き物だ。
2月8日の揚陸艇部隊の式典も同様だったようだ。
米軍関係者で、普段は横浜ノースドックに「勤務」しているわけではない人びとも、式典にやって来た。
その来賓の一部は、ヘリコプターで横浜ノースドックにやって来たようだ。

式典は10時半から行われたが、直前の10時10分過ぎに、まず空軍のUH-1Nヘリコプターが飛来してノースドック内のグラウンドに着陸し、すぐに離陸して飛び去った。横田基地所属の機体だ。

UH-1Nが飛び去ったすぐ後に、今度は陸軍UH-60ブラックホークヘリコプターが飛来して、ノースドック内のグラウンドに同じように着陸した。キャンプ座間所属の機体だ。

式典終了後、昼の12時少し過ぎ頃、再び空軍UH-1Nヘリが横浜ノースドックに飛来し、短時間で飛び去って行った。

空軍ヘリと陸軍ヘリはそれぞれ、横田基地とキャンプ座間から高位の軍人を乗せてきたのではないか。

だが、そもそも横浜ノースドックは港湾施設であって飛行場やヘリポートではない。
確かに横浜ノースドックは日米地位協定にもとづいて米軍に「提供」されている基地だが、飛行場やヘリポートとして使用するという協定が日米地位協定第2条にもとづいて締結されているという話は聞いたことが無い。
ノースドックの中には、航空機の安全を担保する施設は存在しないはずだ。

ヘリコプターと言えども、日本の航空法の第79条によれば、飛行場以外の場所での離着陸は原則禁止であり、そうした場所で離着陸をする際には国土交通大臣の許可が必要だ。
では、米軍ヘリは今回、日本の航空法の手続きによって、国土交通大臣の許可を得てから横浜に飛来したのだろうか。
それをしていないのであれば、航空法違反だ。

航空法でそうした行為を禁止しているのは、危険だからだ。
飛行場やヘリポートとしての機能を持たない横浜港のど真ん中にある基地での、軍用ヘリの離着陸がとりわけ危険であることも言うまでもないことだ。

米軍や日本政府は、航空特例法で米軍には第79条も含む航空法第6章は政令で定めるものを除き適用されないことになっていると主張するかもしれない。
しかし、日本政府は、米軍機の訓練飛行の問題を国会で問われた際に、航空特例法が存在するといえども米軍は日本の法令を尊重しているという趣旨の答弁を繰り返してきた。
国権の最高機関でそのような答弁を繰り返している以上、少なくとも日本政府には、航空特例法の規定如何にかかわらず、米軍に航空法の規定を尊重させるように行動する義務があるはずだ。

大して離れているわけでもない横田や座間から横浜まで、わざわざヘリを使わねばならない理由はどこにもない。
忙しくて時間が惜しいのは誰でもそうだ。米軍人だけが忙しいわけではない。

あたかも「特権」を誇示するかのように横浜港のど真ん中で軍用ヘリコプターの離着陸を繰り返し、周辺の人びとを危険に曝す行為を許すことはできない。

(RIMPEACE編集部 星野 潔)


式典開始直前には、白い、米軍の使用しているバスもノースドックにやってきた(24.2.8 星野 撮影)
このバスは、式典参加者の一部を乗せて来たようだ。キャンプ座間からだろうか(24.2.8 星野 撮影)


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