米民間船、陸軍装備を米本土から横浜ND経由で「第1列島線」の演習に(1)


4月16日、横浜NDに入港した米国船籍のオフショア補給船シーコア・リー。甲板上には、米国タコマで船積みしてきた車両やコンテナが見える。
埠頭上に置かれているのは、横浜での積み込みを待つ車両やコンテナなどだ。作業用とみられる藤木企業のフォークリフトも見える(24.4.16 星野 撮影)


シーコア・リーが接岸したのは、横浜NDの埠頭の先端部近くだ(24.4.16 読者 撮影)


作業員らしき人たちの姿も見えるが、入港当日には積み降ろしの作業は行われなかった(24.4.16 読者 撮影)

4月16日、横浜ノースドックに米国船籍の民間船、シーコア・リー(SEACOR LEE)が入港した。

シーコア・リーは、現地時間の3月19日に米ワシントン州のタコマに入港して荷役作業を行い、3月20日から23日にかけてアナコルテスに立ち寄った後、太平洋を横断して横浜にやって来た。

タコマ寄港時には、米陸軍第593遠征維持コマンド(The 593rd Expeditionary Sustainment Command)が、第1マルチドメインタスクフォース(1st Multi-Domain Task Force)や第62医療旅団(62nd Medical Brigade)、第833輸送大隊(833rd Transportation Battalion)と連携して軍事作戦の装備をシーコア・リーに積み込んだ。

タコマでの装備積み込みの様子を報じている米軍画像サイトDVIDSの記事によれば、シーコア・リーは、米太平洋陸軍が東アジアや東南アジアの国々で多数の合同軍事演習を移動しながら連鎖的に実施していく軍事作戦、オペレーション・パスウェイズ(Operation Pathways)2024の、装備の輸送を担う船になった。

つまり、シーコア・リーが3月19日にタコマで積み込んだのは、オペレーション・パスウェイズ2024で使用する作戦装備だ。
そしてそれは、後で見ていくように、「第1列島線」での演習に投入する装備だったようだ。

4月16日から20日にかけて横浜ノースドックに接岸したシーコア・リーの後部甲板には、タコマで積み込まれたとみられる車両やコンテナが並んでいた。

シーコア・リーは全長約81メートル、約2400トンの「オフショア補給船」で、決して大型の貨物船ではない。しかし、わざわざこのような船を今回の陸軍装備の輸送船として使用したのは、米軍の戦争構想上の、何らかの根拠があってのことではないか。

(RIMPEACE編集部 星野 潔)


3月19日、ワシントン州タコマに寄港し、陸軍装備の積み込みを行うシーコア・リー。
米軍画像サイトDVIDS記事「Port of Tacoma Operations」より引用
https://www.dvidshub.net/image/8300023/port-tacoma-operations


3月19日、タコマでの、シーコア・リーの甲板への野戦救急車積み込み作業
米軍画像サイトDVIDS記事「593rd Expeditionary Sustainment Command prepares for Operation Pathways 2024」より引用
https://www.dvidshub.net/image/8300022/593rd-expeditionary-sustainment-command-prepares-operation-pathways-2024


コンテナの積み込み作業
米軍画像サイトDVIDS記事「593rd Expeditionary Sustainment Command prepares for Operation Pathways 2024」より引用
https://www.dvidshub.net/image/8300015/593rd-expeditionary-sustainment-command-prepares-operation-pathways-2024


タコマ港でシーコア・リーへの積み込みを待つ軍用車両
米軍画像サイトDVIDS記事「593rd Expeditionary Sustainment Command prepares for Operation Pathways 2024」より引用
https://www.dvidshub.net/image/8300024/593rd-expeditionary-sustainment-command-prepares-operation-pathways-2024


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