米民間船、陸軍装備を米本土から横浜ND経由で「第1列島線」の演習に(2)


4月17日の横浜ND。補給船シーコア・リーに民間大型クレーンバージが横付けし、荷役作業が行われた(24.4.17 星野 撮影)


4月17日の作業終了時点のシーコア・リー。赤い四角で囲んだところに、シーコア・リーから降ろされた車両やコンテナが並んでいる(24.4.17 星野 撮影)

4月16日に横浜ノースドックに入港したシーコア・リー(SEACOR LEE T-AK)は、翌4月17日から18日の朝にかけて荷役作業を行った。
この荷役作業でシーコア・リーから降ろされたものと、新たに積み込まれたものとがあったが、まずは横浜で降ろされた装備とその行方について述べていく。

シーコア・リーは米国ワシントン州タコマから、軍用車両として赤十字マークを付けた砂漠塗装のハンビー野戦救急車4台や複数のトラック、その他にはコンテナを積んで横浜にやって来たが、横浜に降ろしたのはそれらの積荷の一部に過ぎなかった。

4月17日、シーコア・リーから民間大型クレーンバージによって横浜ノースドックの埠頭上に降ろされたのは、それぞれ「19」と「04」の数字が書かれた砂漠色のコンテナと、危険物プラカードが取り付けられた暗緑色の小型軍用コンテナ、さらに砂漠色の軍用トラック2台(うち1台はけん引車両付き)だった。

これらはその後、横浜ノースドックで米陸軍兵站支援艦「ブレホン・B・サマーヴェル大将」(GENERAL BREHON B. SOMERVELL LSV 3)に4月25日に積み込まれた。
この時、兵站支援艦「サマーヴェル大将」には、他に、昨年9月に奄美大島で行われたオリエントシールド演習で使用された後、横浜ノースドックに運びこまれていた兵器や車両のうち、最後まで横浜に残っていた1台の軍用車両(けん引車両付き)も積み込まれた。

この、米陸軍が保有する最大の艦種である兵站支援艦(LSV: Logistics Support Vessel)の「サマーヴェル大将」の最近の動向については別の記事で紹介したいが、シーコア・リーと同様に「オペレーション・パスウェイズ2024」を支援する任務を担っているようだ。
「サマーヴェル大将」は、3月19日にパールハーバーを出港した後、4月12日から15日にかけてフィリピンのスービックに入り、米比合同軍事演習サラクニブ2024(Salaknib 2024)の支援を行った。
その後「サマーヴェル大将」は、4月23日に横浜ノースドックに入港し、4月25日に上述の装備を積み込んだ後、4月27日に横浜を出港し、5月1日に那覇軍港に入港している。

つまり、シーコア・リーが横浜で降ろした装備は、兵站支援艦「サマーヴェル大将」によって那覇に運ばれたということになる。

なお、「サマーヴェル大将」は5月2日に那覇軍港を出港し、5月6日に再び横浜ノースドックに入港している。

(RIMPEACE編集部 星野 潔)


4月23日、横浜ノースドックに入港した陸軍兵站支援艦「ブレホン・B・サマーヴェル大将」(24.4.23 星野 撮影)


4月25日、「サマーヴェル大将」の横にシーコア・リーから降ろされた車両やコンテナと、昨秋から横浜NDに置かれていた車両が運び込まれていた。
なお、左のラニーミード級揚陸艇カラボザの艦上には、揚陸艇部隊の兵士とみられる多数の人影が見える(24.4.25 星野 撮影)


「サマーヴェル大将」の甲板上にはコンテナが1つ見えるが、それ以外には積荷は積んでいないらしいことがうかがえる。
この後、積み込み作業が行われた(24.4.25 星野 撮影)


4月25日の日没時。既に「サマーヴェル大将」への装備積み込みは終わっていた(24.4.25 星野 撮影)


2024-5-15|HOME|